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2013年6月11日火曜日

2013/6 新文芸坐・原恵一オールナイト(オトナ帝国、戦国大合戦、カラフル)行ってきたよ!!!!


 2013年6月8日、池袋・新文芸坐でのオールナイト上映に行ってきました。
 言わずと知れた二大名作オトナ帝国、戦国大合戦と、カラフルという、監督・原恵一に焦点を当てた回となっていました。
 今回は原氏はもちろん、親交の深いひろし(藤原啓治氏)も来場しました。

「新文芸坐xアニメスタイル セレクションVol.41
「はじまりのみち」公開記念 映画監督・原恵一 ”演出するということ”

2013/6/8 22:30~
・トークショー
・クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ モーレツ!オトナ帝国の逆襲
・クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶ アッパレ!戦国大合戦
・カラフル

◇池袋 新文芸坐(オールナイト上映コーナー)
http://www.shin-bungeiza.com/allnight.html

 ちなみに■前回のクレしんオールナイトはこちら。



 今回は、原恵一氏の初となる実写監督作品「はじまりのみち」の公開記念とのこと。
 同作は、原氏が最も影響を受けたという故・木下惠介氏の半生を描いた作品だとかで、トークショーではそのあたりの話がたくさん聞けました。
  ※全部は書かないよ!!

 ともかく、濃密だった前回分と合わせれば、これで「原恵一監督」の劇場版クレヨンしんちゃんはカバーされたようです。
  →◆クレヨンしんちゃん劇場版(Wikipedia)
 なお原氏が脚本の一部を担当したという「ヤキニクロード」は、直前の「戦国大合戦」からするとハッキリした子供向け路線だったのは複雑なところですが、むしろ原監督時代こそ異色だったのかもしれませんね。
  →ウルトラマンの「実相寺」回みたいな。
 まあ今後も、どこかで「原恵一」の名が目に入ったら注意しておこうかなと。


◇トークショー
 ネットでは単にひろしと呼ばれがちな藤原啓治氏はサングラスで登場。
  →司会はもちろん小黒氏。
 来る前にも軽く酒を入れてきたとかで、テーブルに置かれたミネラルウォーターを見ても「天然水たぁ気が利かねえな!」とまだ飲み足りない様子。
 「はじまりのみち」は提供されたDVDか何かで観たようですが、その時もハイボールを10杯くらい飲んだ後だったとか。
 しきりに「便利屋はいい役だー」と言ったり、「実写でも俺を呼んでくれないと。次はいつ?」みたいな話をしつつ、「どですかでん」の素晴らしさを熱弁したりしていました。

 二人のエピソードとしては、オトナ帝国のあるシーンで会心の演技をしたところ、マイクレベル(?)の関係でリテイクになったことが「人生で一番悲しいNG」だったとか。
 ふだんはいくらNGを出されてもすぐ応じる藤原氏が、珍しく「N、G……?」と動揺を見せたそうな。
 原氏は「会うたびにこのことを言われる……」とのこと。
  →あれだけの作品だと、撮影陣の気持ちの入り方も凄かったんだろうなあ……。


 そして、話は木下恵介作品へ。
 まず「はじまりのみち」での原氏は、当初脚本担当だったとか。
 ただ製作を進めるうちに手ごたえを感じてきて、一番好きな監督の作品を誰かに任せたら一生後悔すると思って監督に名乗りを上げたそうです。

 しかし、アニメでは下積みから上がってきた実績があっても実写の撮影は右も左も分からないような状況。
 参加している全員で「監督が一番分かってないよなあ」と自信が無くなっていたそう。
 それでも、スタッフから「監督によって、撮影の空気感みたいなものが出てくる。開始から数日で”原組”の感じになっていた」と声をかけられたりで「みんな優しかった……」という恵まれた環境だったようです。
 撮影の話では、こんなのも。
・アニメの技法を唯一使ったのは、止まった雲に対しカメラを動かして作ったシーンだけ
・戦時中に存在しないはずの草花を刈り込む作業が大変だった
・撮影の関係で季節が全然違っていたので、暑さもひどかった


 その後、時間がややオーバーになりつつも会場からの質問コーナーに。
 このとき「製作中に心掛けていること」の質問に、原氏が「品」と答えていました。
「”クレヨンしんちゃん”やっといて何言ってんだって思うかもしれないけど」
”品”と言うと弱く聞こえるけど、それを守って作業するのはすごく大事なこと」

 ……これ、個人的にはすごく得心が行くところがありました。
 ゲームでも漫画でもなんでもそうなんですが、ところどころなんか、違うなと感じる作品があります。
  →表情とか、間の取りかたとか、演技とか、音楽とか、なんでも。
 自分の感覚で言えば、「間に合わせ」のような、「心がこもっていない気がする」という印象です。
 そういった何かが足りない作品は下劣で品が無いかというとそうではなく、どこかアラが残っているという感じです。

 他方、見終わってからイヤな瞬間がまったく無かったことに気付く作品というのが、確かにあります。
 これって発想の素晴らしさとか以前に、いかに「自主的なアラ探し」に時間と技術を費やしたかの結果なんだと思います。
 実際、「ぜんぜん面白くないけど、なんかよくできてる気がするなあ」と感じる作品がたまにあって、そういうものってどうにも嫌いにはなれないし、次回作が気になってしまうんですよね。
 結局、何かを作る時に少しでも良く仕上げようとした痕跡、残り香みたいなものはやっぱり伝わってくるわけで、それを「品」と呼んでみると自分の中でしっくりくるものがありました。
  →原氏の意図とはまったく違うかもしれないけど、それはともかく。
  →ここで「品格」と言うと、とたんにうさんくさくなるのはなぜだろう?(余談)

 ただ、じゃあ「品」ってなんだろう?と考えだすと、もうさっぱり分かりませんね。
  →愛トハ正義トハ、みたいな。
 たとえば村上龍の「限りなく透明に近いブルー」(応募時の原題は「クリトリスにバターを」)はやっぱり「清潔」で品のある作品だと思うし、漫☆画太郎のウンコと撲殺だらけの漫画も、見ようによっては一周まわって品があるような気がします(いや、やっぱり無いか……)。
 そういう印象や直感ってわりと絶対的で揺るがない気がしますが、十年後にはあっさり反転なんてこともあるでしょう。
 まあ少なくともこのサイトでは、「なんかいいの見つけたよ!!!!」(でもここはイマイチだよ!)なんて思ったことを素直に書いていくのが、作品に対する誠意かな……と思っています。
  ※絶賛するだけのサイトは作らないよ!!


 で、この話の途中、藤原氏「たしか木下監督もそんなこと言ってたなあ」原氏「え、それは知らなかった!」みたいな奇妙な一致があったりしました。
 このとき、原氏もまた「そう言えば……」と思い出したようで、……

「私は今まで、親に見せられないものを作ったことはない」

 と、木下監督が語っていたのだとか。
 これはきつい。そして分かりやすい。
 アラがある/ありそうなのは自分が一番分かっていて、そういうものを公開するのは実際後ろめたいです(だから自分の記事は不安でいっつも長くなります)。
 でも本気で作ったんならどこに出しても恥ずかしくないよね?と考えると、人によっては少し気が楽になったり、逆に重くなったりしそうですがいかがでしょうか。



 いった感じでトークショーは予定時間をややオーバーし、22:30開始~23:45終了となりました(あんな話なら朝まででも聞きたかった!)
 最後は、サイン入り「はじまりのみち」プレスシート争奪じゃんけん大会→数が二枚くらい足りず、急遽チラシに書いて増刷→原氏「じゃあ飲みに行きましょうか」→藤原氏「明日仕事があるので、二時間だけ……
 ……といった感じで終了となりました(お疲れ様でした)




◇オトナ帝国
 アニメ史に燦然と輝く一大傑作ですが、改めてレビューしてみます。


 「そしていつしかこの街は、リアルな過去の匂いに包まれた」
 

 まず冒頭のシーン。
 つかみだけあって、炎を吐いたり、煙がぶわわわっとなったりという描き込みもかなり気合が入っています。
 そして非常に強く印象に残っているのは、急展開してタイトル+オープニングに入るあたりの「どうなるんだ!?」というBGMです。
 クライマックスも含めて、やはり本作の音楽チームが果たした功績は大きいと思います。

 BGMと言えば、昭和ノスタルジーなテーマに合わせて子供向けアニメではまずあり得ない選曲だったりしますね。
 曲名はwikiを見て知ったのですが、夕焼けの町の喧騒の中で「白い色は恋人の色」がかかるシーンなんかはグッとくるものがあります。
  →これ。http://www.youtube.com/watch?v=_iw55QcdeOU
 エンディングもこばやしさちこ(平仮名の名義)の穏やかな曲だったりと、このあたりも方針が一貫していますね。


 しょせんは「クレヨンしんちゃん」だろ、とナメて見ていると何かがおかしいと思い始めるのは上記のようなBGM、そして朝のシーンでしょう。
 大人達が善良さをすべて失ったような表情を見せたかと思えば、コドモのように嬉々として走っていく気持ちの悪さ並のホラーを上回る不気味さです。

 こうした作品全体の雰囲気を集約しているのが、敵役のケンとチャコです。
 ほぼ全編で「走らない」「大声ださない」「戦わない」ようなキャラですが、前述の配役のハマり具合もあって屈指のカリスマオーラを放っています。
  →淡々とした二人の会話がまたかっこいい。
 そういうキャラが相手なせいか、アクションシーンの見せ場が「戦う」「倒す」ではなく、カーチェイス等の「逃げる」「走る」ことだったりするのもなかなか珍しいところです。

 ちなみに、(ヘンダーランドのババ抜きみたいな)恒例のネタ時間枠(?)であるスナックでのミニコントもわりと好きなシーンだったりします。
  →なぜかジュースで泥酔する園児たちのハイスピードトークバトル。
 オトナ帝国は「子供向けなのに大人も感動できる」という点も偉大なところなのですが、ああいうネタも含めて「しんちゃん」ってのも忘れてはいけません。
 まあ……今思うとさすがにネタがアダルトすぎやしないかという気もしますけどね。



 そんなわけで、自分はわざわざDVDを買って布教するくらい好きな作品です。
 これ以上はいいから見とけとしか言えませんね。
  ※おすすめだよ!!!!




 続きはまた後で。(放置中)

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