月刊アフタヌーン2016年1月号を買ってきました。※電子版だよ!
→後ろのはガンプラEXPO2015で買ってきた◆限定G-3とトラバPPC。
・表紙:げんしけん二代目
・新連載:井雲くす「ぼくは愛を証明しようと思う。」(藤沢数希 原作)カラー4Pあり
→◆第一話試し読み(モアイ公式)
・短期集中連載:端野洋子「ハッピーエンド?」 ※「はじまりのはる」シリーズ#4
・四季賞2015年秋 審査員特別賞:久野田ショウ「三途の川でワルツを」 59P
・読切:森田るい「妹たち~続・お姉ちゃんの妹~」44P(!!)
→◆2015年9月号に掲載された読切の続編。
・マージナル・オペレーション:巻頭カラー1Pあり
(本編と全然関係ねえじゃねぇかふざけるなもっとやれ)
・完結:カナリアたちの舟
・休載:アンダー3(!!) ※隔号のヒストリエ、ディザインズは掲載なし
・29作品、952ページ
今号は、個人的に [あ] [あ] [愛してるよ] → 消せよ!……が非常に気に入っていた◆あの読切の続編が来てびっくりしました。
雰囲気が「優しいけどどこか不気味でおそろしい」のは前作を引き継いでいるものの、内容は単なる後日談どころではありませんでした。
冒頭から「人工知能の尊厳」や「複製された自分自身をどう思うのか」のようなことをユルい感じで語っていますが、いやいやいやこれはとんでもなく高度なことが描かれているぞ……と感じました(近未来に起こり得る超重要な話題なんだよなあ)。
年代ごとの描き分け、機械ゆえの発想、ハンバーグのくだり、そして「妹たち」という素晴らしすぎるタイトルもあって、自分の中では満点を付けたいくらいの作品でした(いやーいろいろ驚いた)。
*■前号(2015年12月号) ■次号(2016年2月号)
感想です。
そ・そ・う…
そ・そ・う…
それ
・マージナル/30:ちょっとまて!(近い近い!)
*ちっちげーし! 札束目当てだし!(弁解)
・おお振り/125:前回~今回の話は全野球少年が見るべきな気が@故障
・フラジャイル/19:ではどうぞ → 「あっ」 → (パァン)
*目的のためなら間瀬さんにも劣らないわんぱくぶりであった
*(集中)→パチリ→もっすもっす
(↓そう言えば先月二話掲載だったからパラレジと同じ話数になったのか)
・パラレジ/19:Mt.富士!が気になって話が入ってきません!!
*シューティングのボム並に使いどころが限られる下げ時にはさすがのプリンもむむむ
・BLACK-BOX/6:展開はええ(2人目が事後なのがじわじわくる)
*「うまそうだから捨ててくれ」(即答)
* (クロキ) ( ク ロ キ ) ※……!
*◆小泉さん「マジないわー」(ドン引き)
*ポッと出のゴミからのありがたいアドバイス → 「ボクサーやめろ」
・げんしけん/118:奴はスー、あきらめの悪いオタク──
*珍しくハトが余裕の仙人モードだなーと思ったらこれだよ!
・三途の川でワルツを(読切):最後にやりたいことがそれっておいおい天使かよな感じ(ゲスミン並感)
*マトリックスの金持ちみたいに、渡らず戻らず現状維持というのはノーチャンスですか?(クズ的発想)
・波よ聞いてくれ/15:なーんだ穴に突っ込んだだけだったか……
*マキエの連続攻撃!!(前世だったら十人は死んでたな……)
・花井沢町/14:特別に「1つのマフラーやコートを2人で」を許可します
*なんか平和な感じで終わってるのが逆につらい
(結局◆初回のアレに行き着くんだよなあ……)
*
四季賞2015冬・中間発表からタイトルと1コマだけで選んでみるでござるの巻 → 「博愛計画」一択ですね(そそる響きである)
・少女回路/3:ところで、なんでみんな某コープスではらわたを(略)の髪型なの?@なんか映画化されたので思い出した
・愛を証明/新:これビジネスジャンプかヤンマガあたりが向いてる気が
*「ソープランドみたいなもんですね」って笑うところかと思ったら真顔なので困惑@ふたりエッチみたいなうんちくコメディならまだしも、本気すぎてちょっと引く
*見た感じゴミクズヒモ野郎になる話だけどその通りなのかは次回以降で判断
・リミット/9:毎度のことだけどとんでもない文字数である
・Vet's Egg/5:えっ2号機!?(たしか◆読切でもそんな名前付けてたけどパラレルワールド扱いなのか……?)
*黒い砂嵐と泡立っているような腹の話がえぐい(聞く分には嫌いじゃない)
・夢みし/14:コミュ障にとって強制一句詠みの恐怖たるや(歌モノの芸人ネタを全力でやらされるようなものか)
*さすがウェーイ勢、自己紹介だけで読者のヘイトを独占だな(棒)
*小犬丸が普通にマイク持ってるけどそもそもVTRとか言ってるし気にしたら負けである
・宝石の国/38:オール・ユー・ニード・イズ・回収@無限ループってこわくね?
*なんか新しいパターンの病みかたを……@フォスあなた憑かれてるのよ
・コトノバ/21:粋で上手な飲みはいいもんだね(百薬の長って言うし)@発光
・マイボーイ/22:全力スマッシュだ! → ハハッ ハイ! → >>天然スパイラル<<
*家事屋とレイジのコンビネーションがタコちゃんを襲う──!!
(真の主人公オーラがパないんだけど、終わっちゃうんだよなー……)
・零崎軋識/15:完全に死んでたかー@さすが匂宮である
(西尾維新作品のこういうキチガイだけどどこか人間っぽいとこ好きだな)
*
*森田るい「妹たち ~続・お姉ちゃんの妹~」
改めて見ると扉絵だけでもうズンと胸に来るものがあるくらい気に入ってしまった続編です。
※扉絵は大切なんだよ!!(って、いつかの四季賞解説に書いてありましたね)
深読みすれば、この1枚も若いままの姿だが使いものにならない旧型と老いた姿だが中身は新世代型であるというのがまた象徴的です。
そしてこの二人(二体?)は見た目も性能もまるで違うのに「同じもの」だというのがまた異質なところです。
あと、マンガの技法とかにはまったく詳しくありませんが、たとえば冒頭1コマ目の「カチン」でこれはロボットだと読者に分からせているのかなとか、細かい部分までていねいに、大切に作られている気配を感じました。
今作には、全編に独特の不気味さがべったり張り付いていて、「そっちの方がいいんならあの子としてやってくけど?」とか、「あたしらの用途が他にみつかんなかったら」なんていう倫理や尊厳を超越したとんでもないセリフが幾度も出てきます。
これ、来るべき人工知能の登場(あるいは、クローン時代?)の「設定」「設計」しだいではあり得る思考かもなあ……などと考えさせられました。
こういった、前作から徹底している機械ゆえの思考パターンというのが非常に面白く、また物悲しい何かを感じる部分でした。
現実の話題では、たまに「人工知能は感情を持ってはならない」なんて話もありますが、本作のロボット(妹)は高度に人間的な知性や感情を持っています。
これがハードSFであれば、あるいは「お姉ちゃん」を生体改造して強制延命させてみたり、それらしい人格をコピーしたお姉ちゃんの代替を求めたり……なんてこともあるかもしれません。
感情がある以上、「妹」であり続けることが避けられないのであればそれくらい起きてもおかしくないくらいの根源的な苦悩となるわけですが、そういったことが、
「ちょーーやだ 困るーーーー」
という一言で済んでしまうという……この世界観のなごやかさは、ある種感動的ですらあります。
(たとえ、裏に冷徹な安全プログラムがあるのだとしても)
何より気に入ったのは、終盤でこっそり無線通信し始めるあたりのスピード感です。
「テストばっちり~」 → くか~~
豆腐ハンバーグにしよう → !?
じゃハンバーグやめよ → >> え <<
↑このあたりの、なんというか、あの感じはすごい好きですね。
(理論の勉強だけでは到達できないリズム感、というか……)
特にお姉ちゃんは「なん……だと……!?」みたいな表情で完璧な顔芸をキメていましたが、正直どのコマをとってもどんだけおばあちゃん描き慣れてんだよってレベルで愛嬌のある表情だなと思います。
そして、そんなニヤニヤシーンの裏では平然と海でサビてく話が進んでいます。
死にたくない、社会とつながっていたいという感情が希薄とかじゃなくて、ゼロであれば、ああいう選択にもなるのかもしれません。
ラストではトウモロコシ(意味深かも?)を受け渡す姿になっていますが、あれは思いつきを実行した未来の姿なのか、妹たちが描いた予想イメージなのか……それは読者に委ねる、といったところでしょうか。
ただ、ここで扉絵を見るとなんかそれっぽいんですが……そう思うと、あのちょっと出かけるみたいな表情がまたなんとも言えない気持ちにさせられます。
救いとしては、お姉ちゃんの幸せがあたしらのヨロコビだと納得してお姉ちゃんをハンバーグネタでいじっていくスタイルを全力でエンジョイした上でのポジティブな終局であったということですかね。
まあこうして長々と振り返ってみて、改めてひとかけらの悪意もない歪さという俺にドストライクな何かを叩きつけられたようなもーほんとに気に入った一作でした。
※まいったよ!!!!
*
蛇足ですが、ラストの「さすが宇宙経験者」というセリフって、性能の善し悪しよりも特異な経験こそがスマートな解答を導くこともあるという人工知能の学習過程を示唆している気がして深いなと思いました。
»(追記)2017年5月号より、森田るい先生の新作◆「我らコンタクティが連載開始されました。(こちらも超名作)
(先に書く余談)
ちなみにリーダーストアでの今号ですが、なぜか前号までと別シリーズ扱いで、新着通知も来なかったためしばらくムズムズしました。
※その発想は無かったよ!
いま現在、◆前号までの「アフタヌーン」シリーズ一覧には今号が表示されていない、かつ◆今号の「アフタヌーン」シリーズは今号だけとなっているようです。
んーまあ実害は軽微ですが、タブレットで作品別表示にした時に不便なのでできれば直してほしいところです。
(前にも進撃の巨人の単行本が途中から別シリーズになってたことがあったなあ……)
*(追記)現在は新シリーズが無かったことになる形で修正済のようです。
以上、なんだか奇跡的なくらい自分好みな読切に遭遇して、感想が一句では済まなくなってしまった2016年1月号でした。
ではまた。
*■前号(2015年12月号) ■次号(2016年2月号)
*
これまでの分はこちら。 →■「アフタヌーン」ラベル
シスター・プリンセス2(通常版)
*◆アフタヌーン 2016年1月号 [2015年11月25日発売](リーダーストア)
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アフタヌーン 2016年1月号 [2015年11月25日発売] [雑誌](Amazon)
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