2016年7月の期間限定無料マンガより、うんことかちんことかオナニーとかだけではない徳弘正也「狂四郎2030」(1~3巻)の感想です。
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Kyoushirou 2030
◇近未来SF冒険SEXYバイオレンスラブロマンスせんずりコメディちんこ漫画
なんとなくの内容は知っていたつもりでしたが思った以上にハードコアな内容で、いろんなところで名前が出てくるのも納得。
なお公式(?)のジャンルが「近未来SF冒険SEXYバイオレンスラブロマンスせんずりコメディちんこ漫画」だそうで、何やら映画「ザ・プレイヤー」の一節を思い出すものがあります。
物語は壊滅的な戦争により荒廃しきった時代のもので、仮想世界でしか逢えない恋人だけを拠り所にする二人の話。
作風や画風自体は「ターちゃん」の頃のままながら青年誌で枷が外れた下ネタには容赦がありません。
いっぽう唐突に殺人や強姦のようなきつい描写もあったりして、この緩急というか、お笑いとシリアスの振れ幅の広さは強烈です。
上流階級による徹底的な支配体制など、設定として結構な重い話なのにあらゆるキャラがうんこだのちんこだの言っているからこそ、重いシーンもまた際立つのかなと。
(八木の狂った感じとか素晴らしいと思います)
個人的には下手に格好つけた作品より、こういったものにこそ「誠意」を感じますね。
まじめな話、「主人公がオナニーマシンの中で自分の精液に水没する」とかいうネタを名のある誌面に載せるとかって、相応の覚悟が無いとできないような気がします。
言葉を選んで言うと、あまりにも通俗的だけど低俗だとは思わないし、なんなら創作として清潔で上品だと言いたいくらいです。
(まあ、おすすめする時には相手を選ぶ必要がありますが……)
一緒に配信されていた「黄門さま」、「バンパイア」(各1巻)あたりを見ても、現在に至る「いつもの徳弘正也」が本作で確立(というかアップデート)されたのは間違いなさそうです。
ある意味、青年誌に移行した結果ものすごい化け方をした好例といったところでしょうか。
ちなみにVR元年とも言える2016年の現在に読むととんでもない時代の先取りぶりを感じるのも面白いところです。
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以上です。ではまた。
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