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2016年7月21日木曜日

ボカロ動画#2:MEIKO V3「永級灯途」(Everlasting Beacons)


 自作ボカロ動画・第2作MEIKO V3「永級灯途」(えいきゅうとうど)英題"Everlasting Beacons"を公開しました。
  ※自作ボーカロイドオリジナル曲だよ!
   →ニコニコ動画版は◆こちら。(エコノミー版は◆こっち。
 んーとまあハードルを下げていくスタイルっちゃそうなんですが、この曲は歌詞&映像で今後のネタや方針を暗示するためのものといった感じです。

 取り急ぎ0721の日にアップロードを済ませたので、これからゆっくり解説なんかを書いていきます。
 ただ、◆蓄光のほうの追記もだいぶ放置しているのでそっちを優先するかも。
(だいぶ時間がかかりそうなので、お付き合い頂ける方は忘れた頃にまたいらしてください

*前作「Aura Lee: Presage」■こちら。 次:「ドギースタイル」■こちら。

Everlasting Beacons / MEIKO V3


*もくじ(予定)
▼この曲の意図(始まってもいねえよ的なこと)(まだ)

▼歌詞について@古語、音の省略、押韻など

▼楽曲制作について@ボーカル構成、インサート等(まだ)

▼映像制作について@影絵の工夫、モノクロ線画表現等(まだ)


*ニコニコ動画版のサムネ詳細


 動画が重い場合は◆エコノミー版もあります。


*ピアプロページ
 http://piapro.jp/t/86m3


*オフボーカル版ガシャポン戦士のストフリ塗装動画にて◆使ってみました。



 今回使用させて頂いたMMD素材はこちら。
・神子のアクセサリーセット
 http://seiga.nicovideo.jp/seiga/im3707452

・MMD用PMX ダンボール箱  ver.1.1a
 http://www.nicovideo.jp/watch/sm16327906

・ギターアクセ:Freedom Hydra 足立 you model
 http://seiga.nicovideo.jp/seiga/im3474752

・歩いたり走ったりスキップしたり ver3.0
 http://www.nicovideo.jp/watch/sm21263509


◆MEIKO V3(Amazon)


◇歌詞の解説
 上線、下線については後述。
子供のころ日常だった直感が
耳の背に根を張り はがれない声が
まぶたの裏で光を曳き走る線が
古い印を指差した

を追われ絡みつかれるような焦燥は
ひび割れたすき間から覗く懐旧は
暗がりがにらぐ片生りに差す入り日は
徴にゆらう胸走り火は

天と地を結う蜘蛛の糸
い痛みが今、指を引いている

彼方に首を見つけたら走ってゆけ
その身に験が宿るまで走ってゆけ
沖つ波の高みを一つ越えたとき
次の標が見つかるだろう

冷めた槌を打つ諸人
の明かす未開の海が呼んでいる

枯れ朽つ内も夕雲詞を帯
違えの緒で弓を引いていく

檻の中で待ちくたびれて やせた恋が
枷を断ち腐り枯れた手でしがみつき
波の果て丹つらう標は光を増す
まるで悪魔がささやくように


*音の省略について:
 本作は、ところどころ1~2文字分、無視するような歌い方になっています。
 これらには音の数を減らしたい(発音を圧縮して、1つでも多く単語を詰め込みたい)という意図があります。
 俳句みたいな感じで、こう、ちょっとでも言葉の密度やオリジナリティが出せればいいかなーと。
 一応、聞き慣れないけど違和感が出過ぎないバランスを心がけつつ、しかしこのくらいだったら大丈夫なんじゃねーのくらいの軽い気持ちで設定しています。

 このあたりについて少し。


 まずこういう下線の箇所では、母音を省略した歌い方にしています。
 例として「赤い痛み」=「あかいいたみ」では、同じ音の「い」を一息にして「あかいたみ」と歌わせています。
 「朽つ内」=「くつうち」であれば、「つ」(訂正)、「う」はいずれもウ段なので「う」を吸収させて、「クツウチ」「クツーチ」という風にしています。
  → 明確に ク、ツ、ウ、チ と発音していないということ。

 なお「祝詞を帯び」=「のりとをおび」の場合では、「と」に続く「を・お」をまとめて省略して「ノリトービ」と発音させています。
 実際には間にブレスが入っているため「のりーとー……び~た、がーえたー」みたいなやや無茶(だがたぶんギリギリセーフ)な感じになっています。

 あと「差す入り日」=「さすいりび」ですが、これは「さーすぃりび」のような発音にしています。
 感覚的にウ段(うくすつぬ……)って、アイウエオのどれを付けてもあんまり違和感が無い気がするのでまあいいかという程度のノリで調声しました。
  ※適当でいいんだよ!

 ちなみに以下のようなところは対象外なので特に省略表記を付けていません。
・「未開の海」「みっかーぃの」 → ちょっと早口なだけで省略されてはいない
・「指を引いている」の「ゆびをひーている」 → この場合「い」は発音してもしなくても日本語的に普通

 まとめると、下線を付けているのは後方の母音を意図的に省略(または吸収)している箇所という感じです。
(正直、自分でもよく分かっていません)


 続いて こんな感じ のところでは子音を省略しています。
 これは動画内だと 打ち消し線 なんですが、ブラウザだと大分みづらいので上線+文字色やや変更にしています。(とりあえず)

 余談ですが、この影響でSPANとかを二重にすることでHTMLテキストの装飾と文字色を別々に設定できるということを知りました。(プチ感動)

 ただ……今回だと「の祝詞(のりと)」、「違(たが)えた玉の緒(たまのお)」、「に丹(に)つらう」の三箇所だけしか無いし、自分でも特に応用例も思いつかないというのが正直なところです。

 まああんまり厳格な規則とか深く考えてないので、ひょっとしたらあの表記は「永級灯途」でしか使わなかったなあなんてことになる可能性もわりとあります。
 といった感じでハッタリみたいなもんだったわけですが、動画ではそれっぽく表記しておいたのでちょっと工夫した感が出たかなー、と自分ではわりと気に入っています。



 ついでに、サビの二箇所だけですがにごりについて。

・「結う蜘蛛の糸 」(ゆうくものいと)→「ゆうものいと」
・「枯れ朽つ内も」(かれくつうちも)→「かれつうちも」

 こちらも明確なルールは考えていませんが、なんとなーくここは「ユークモ」より「ユーグモ」って発音させたほうがしっくり来るなあとか思って濁点で歌わせています。
 ただデスロウ先生くらいになると「やっぱ俺がいい」「ヤッパ・ボレガ・ビー!」とか歌っちゃうので自分なんかまだまだですね。(?)


*古語について
 最初期の作詞で「天と地(あめとつち)を繋ぐ蜘蛛の糸」というのが浮かんでおり、ここからイメージを広げていきました。
 以下のものは和歌のような時代に用いられた日本の古語なので聞き慣れない単語が多いと思いますが、ほとんどは自分にとっても作詞を通じて初めて知った単語だったりします。
 ただ、初見であってもなんとなく意味が分かる気がするのが古語(というか日本語?)の面白いところですね。

・にらぐ/にらく(焠ぐ、淬ぐ):刀鍛冶などで、焼いた鉄を水に入れて鍛えること。
(某・裏オロチチームに「にらぐだいち」とかありましたね)
・かたなり(片生り)※名詞/形容動詞:幼稚で未熟なさま。
・入り日(いりび、いりひ):沈みかけた太陽。夕日。

・ゆらう/ゆらふ(緩ふ):一つの場所にとどまっている。前進できずにいる、ためらっているとの意味合いもある。
・胸走り火(むねはしりび):胸騒ぎがして落ち着かないさま。何かに思い焦がれる様子の意味も。
・沖つ波(おきつなみ)※連語:沖に立つ波。「高し」「競う」「しく」等にかかる枕詞なので、基本的に単体では使わない。

 歌詞では「沖つ波」「高み」で受けています。(和歌の細かい規則までは考えないスタイル)

・諸人(もろびと):たくさんの人。
・熾(おき):よく燃えて赤くなった炭火。または、燃えたあとの赤い薪(まき)。
・祝詞(のりと):神を祭り、祈願する古体の文章。お祝いの言葉を意味する祝詞(しゅくし、しゅうし)とは異なる。

・玉の緒(たまのお):玉(宝石)を貫き通した首飾りや、そのひものこと。短いことのたとえや、の意味も。
・につらう(丹つらふ):赤く照り映える。美しい色をしている様子。



 余談ですが、これらの言葉はいずれも100円で買った中古の古語辞典で見つけたものです。

 ネットが普及した現代においても、情報量、一覧性、素早さ、多様性など辞書については紙媒体のほうが優れている面も多いと言われる所以を身をもって体感した一件でした。


◇歌詞:細かいこと
 今回の制作で最も難航したのが、歌詞でした。
 予定ではサクッと完成するはずが、これでは安っぽい、これでは厨臭い、これでは気取り過ぎとか悩んでしまいなかなか進みませんでした。
 そんな創作って大変ですね、と思いながらこだわったところをいくつか。


*しるし
 やはり深い理由は無く、歌詞に頻出する「しるし」について。

・印:(古い印を指差した)
 象徴、シンボルマークのような意味合い。
 歌詞で「古い印」としているのは、つまり今では黒歴史のような思い出に成り果てているということです。
 つまり、昔はあんなに憧れていたじゃないか、あんなに好きだったじゃないかという煽りです。

・徴:(徴にゆらう胸走り火は )
 兆候(兆し)、予感、啓示のような、不確かだけど、「もしかしたら」という淡い期待です。
 歌詞の意味合いは、どうにも無視することができない予感を必死に無視するたびに、本当は今すぐ何かを始めなきゃいけないんじゃねーのかというあせりばかりが募るというようなこと。
 そしてその焦燥こそが、高みに至る細い糸に繋がるのでは、というのがサビのところです。

・首:(彼方に首を見つけたら走ってゆけ )
 首級、つまり倒すべき敵です。
 自分にとっては◆これのことで、まあなんというか長い戦いになりそうです。

・験:(その身に験が宿るまで走ってゆけ )
 古語においては霊験、(神の)ご加護、ご利益のような意味があります。
 現代では「受験」のように、何かの証拠や「お墨付き」のような扱いです。
 古くは「修験者」が修行の果てに受けるような重みがあったのだろうということで、歌詞でもそういうニュアンスで使っています。

・標:(次の標が見つかるだろう、丹つらう標は光を増す)
 しるべとも読むように、標識、道標といった旅人のためのガイドのようなもの。
 外れた道を行くにも頼りになるサーチライトがあれば迷わないわけで……つまり自分にとっては、動画にもいくつか仕込んでおいた◆これのことです。
(敵でも味方でもない、というか……)

 もちろん自分で決めたロードマップなどごくわずかで、その向こうには輝かしい先人の遺産目標、指標となっている意味も込めています。
 それが「波の果てに丹つらう標は光を増す」(=遠すぎる鮮やかな夢に、より強く惹きつけられていく)という部分。
 ただ、そんななんてもんは信じるに値するか分かったもんじゃないわけで、人々をに誘う存在はまるで悪魔がささやくようにも見える、と釘をさしてこの曲は終わります。


*ライミング
 いろいろな意味で実験的な歌詞なわけですが、その一つが韻(いん)踏みです。
 これも歌詞を考える内に、あっここ韻になってる、じゃあこっちも、あっちも、という感じで後付けで考えていったところです。
(一応「しるし」の多用も押韻の範疇かな?)

 結果的には踏んだり踏まなかったりで中途半端ではありますが、奇跡的に上手くハマったところもありました。
 とりあえず箇条書き程度に。

◇音:
・差す入り日 → 胸走り火
・天と地を結う蜘蛛の糸 → 冷めた槌を打つ諸人を → 枯れ朽つ内も夕雲の祝詞を
い痛み → 熾の明か
・赤い痛みが今 → 熾の明かす未開
・指を → 海が → 弓を

◇意味:
・赤い痛みが今、指を引いている
 「赤い痛み」「(運命の)赤い糸」とのダブルミーニング。
 ただし外道の指に結ばれる赤い糸は血の涙の結晶だぞそんな可愛いもんじゃねえぞ覚悟しとけよってことで、動画では若干グロ目な表現。
 その一度は捨てた黒歴史に対して自ら結びにいく赤い糸こそが「天と地を結う蜘蛛の糸」である……というのが、この曲で言いたいことのすべてだったりする。

 なお「蜘蛛の糸」は、切れやすくとても頼りないが絶体絶命の状況から抜け出す救いの一手のような意味合い。
 寓話では地獄に落ちると天から差し伸べられたりするが◆だいたい切れる。

・暗がりがにらぐ片生り:
 刀鍛冶に用いられる「にらぐ」に対する「片生り」が、未熟さ「かたな」のダブルミーニング。
 まだ自分の使える武器が頼りないことを表現している(っていうことにしておいてください)



 詳しくはまたあとで。(だいぶ放置してますが必ず追記します)

*前作「Aura Lee: Presage」■こちら。 次:「ドギースタイル」■こちら。

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