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2016年3月3日 
 
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ボカロ動画#1:MEIKO V3「Aura Lee: Presage」(オーラ・リー:プレセイジ)


 自作ボカロ動画・第1作となる「Aura Lee: Presage」(オーラ・リー:プレセイジ)を公開しました。
  →ニコニコ動画版◆こちら。再度上げ直しました)
 今回の編曲は、ボーカロイド音源「MEIKO V3」(と、同梱の各種音源)のみで制作しました。
 どのボタンが何で……というレベル1(クソザコ)状態で悪戦苦闘の末ようやくそれなりの形にはなったので、宜しければヘッドホン装着のうえ大音量でご覧ください。
 なお本動画は「煽りフリー」とします。
 犯罪性(犯行予告など)さえ無ければどんなクソコメでも受け入れます。
  ※ドン引き級に荒らしてもらって構わないよ!
 マイリス/お気に入り追加、ツイート、ここの↓やYouTubeにあるGood/Badボタン等なんでもいい(……ん?)ので、今はとにかく反応がほしいです。



 この動画についてどう作ったのか(技術的なこと)は、また別の記事で詳しく、長々と、手の内をさらけ出していくスタイルで書いていく予定です。(まだ書いてません)
 今回はこの動画の意図 だとか、DTM打ち込みでの雑感、そしてなぜわざわざ一般知名度がミクさんの1%未満であろうメイコ( )を選んだのか? といった思うところを書いていきます。

◇追記@2016/4/5:定位、ゲイン調整したものをYouTube/ニコニコ/ピアプロに上げ直しました。
 やや音色も変わりましたが爆音になったかと思います。

*MEIKO V3を買ってきた時の記事は■こちら。 ■次の曲:#2「永級灯途」


Aura Lee: Presage / MEIKO V3


*もくじ(スクロールリンク)
▼原曲「Aura Lee」と「プレセイジ」の意図

▼歌詞、原詩、和訳アレンジについて

▼ボーカルについて:ライブラリやインサートの設定、英語発音とか

▼オケのバンド打ち込み:ギター、ベース、ドラム

▼映像について:着せ替えMMD、シルエット演出、雪エフェクト

▼なぜMEIKOなのか:まだまだ汚せるこの青さ


*追記:動画「HGUCユニコーンガンダム蓄光塗装作例」にてオフボーカル版を使用しました。
 →■こちらから。

 ピアプロにもオフボーカル版を◆上げました。
(ちょっと音がシャリシャリしてるかな?)

*ニコニコ動画サムネ詳細(定位・ゲイン調整 再up版)


*ピアプロ(なんかブログパーツが使えなくなってるような?)



◇原曲"Aura Lee"と「プレセイジ」について
 「オーラ・リー(Aura Lee)」("Aura Lea"の表記もあり)は、南北戦争中のアメリカで1861年に発表されたとても古い曲です。
 一般には、エルビス・プレスリーによるカバー「ラブ・ミー・テンダー(Love Me Tender)」の原曲としても有名です。
 すでに著作権が切れており携帯の着信メロディなんかにもよく使用されているため、曲名は知らないがどこかで聴いたことはあるという人も多いでしょう。
 この著作権が無い=パブリックドメインというのは自分にはとても重要で、……そりゃできればアレやコレやをカバーしたいけど、後々のことをガチで考えた結果の選曲でもあります。

 パブリックドメインの曲は自由に演奏して公開していいものだけど、発表された演奏音源や動画には著作権が発生するので注意。

 実際の歌はYouTubeで検索するといろいろ出てきますが、断トツでおすすめなのがこちら。

 歴史を感じさせる白黒映像という点もポイントですが、歌いかたの紳士的清潔感みたいなところが非常に好きですね。
 っていうかこの映像で「オーラ・リー」を知ったので、今回の動画を作る  元凶  きっかけだったりします。

 なお「ラブ・ミー・テンダー」のほうは好き好き大好き愛してるよぉぉみたいなゲロ甘☆ラブソングなんですが、元の「オーラ・リー」は戦時中の曲ということもあり、切実な祈りのような印象があります。
 その内容は、いつか帰ってくるであろう恋人春になればきっと現れるであろうツバメたちに、若くして戦地へ赴いた兵士たち、あるいはその帰りを待つ者の姿を重ねて歌い継がれたのだろう……と自分は解釈しています。

 ちなみに「オーラ・リー」というのは木々に止まった鳥の鳴き声か何かかと思っていましたが、当時用いられた古風な女性の名前であるとも言われています。
(はっきりしたところは分かりません)


*「プレセイジ」について
 で、リメイク版である今回の"Aura Lee: Presage"です。
 テンション的には死にたさをさらけ出しつつ◆この滅系のウルトラハッピーエンド曲として制作しました。

 "Presage"というのは兆し、予感といった意味で、まあ原曲の内容にも合うし、「1曲目」が提示する未来という意味でもピッタリかなと。
 この副題には、これから始まる長い道と、はるか先にある何かへの自戒と決意も込めています。
 DTM的には、「慣れないうちは既存曲のコピーから始めるといい」という話も聞いていたためカバー曲として作曲(編曲?)しました。
  →次回以降はほぼすべてオリジナル曲の予定。

 曲調はハイスタです。
  ※ハイスタだよ!
 要するにメロコアカバー的なアレです。
 このへんは日本の三大義務教育である「ジャンプ、ガンダム、ハイスタ」を通過した方であれば特に違和感は無いはず。
 「サンデー派でした」とか「マクロスしか見てない」とか「ブランキーしか聴かない」とかいう方でもまあだいたい大丈夫でしょう(適当)。

 ハイスタと言えば数えきれないほどのカバー曲がありますが、似たようなところでハワイアン6枯葉(Autumn Leaves)カバーとか聴いたりすると、こういうのってやったもん勝ち、早いもん勝ちだなあと思います。
 で、一時期ひたすらオーラ・リー動画をあさっていたものの、そう言えばこんなに極上な素材なのにそれっぽいカバーは見あたらなかったなあ……ってことで拙者がやるでござるの巻となりました。


 あと、これを言っていいものか分かりませんが……自分はふだんいわゆるボカロ曲ほぼ聴きません。
  ※嫌いってわけじゃないよ!
 自分が作る曲は、自分がこれまで聴いてきた音楽を継承したものでしかないので、良くも悪くもボカロっぽい感じは薄いかもしれません。

 ただ、DIVA fODDS&ENDSがあまりに衝撃的で「ボカロ」に対する見方が一変したこと、そしてDIVA F 2ndDECORATORのこの歌詞、
 
 もし君の求めるモノが無かったとしても
 次の今日は 君の手で飾り付けるんだ
 

 ……これを見て、やったろうじゃねえか(使命感)と思ったのは間違いありません。
 とにかく自分好みのクッソ汚い救いの歌が聴きたいんだ、という強い想いを表現したつもりですが、そこに予感を感じていただければ幸いです。


 ところで、「オーラ・リー」は冬の歌であり、春を待つ歌です。
 寒い時期何かを待っている時にまたこの曲を思い出して頂ければと思います。



(邦題についての余談)
 タイトルを"Aura Lee: Presage"とすることはわりと早くから決めていましたが、日本人としてはカタカナでどう読むかも一応決めておいたほうがよかろう、と思いました。
 この件で悩み始めたのは動画が95%くらい完成して、最後にタイトルテキストを埋め込もうとした時点です。
 これがもう、考えだすとプレなのかプリなのか、サージなのかサージュなのかセージなのかセージュなのか、あるいはセイジセイジュなのか……。

 ちなみに作っている間は「プリサージ」と呼んでいました。
 ただ、ネット辞書のサンプル音声で確認してみたところ、実際の発音は「プレッセィジ」が近いようです。

 ともかく困ったらググれというわけで調べてみたところ、いま現在の検索結果はこんな感じ。

◇「サー」系:
・プレサージュ:日産の車があり、検索結果48万件の断トツ。
・プリサージュ:↑と一文字違うだけで5万件。
(この名前の企業やマンションがあるみたい)

 「ュ」を削ったプレサージになると約1万まで減り、プリサージだとわずか8件。
(語感的には好みだが……)

◇「セー」系:
・プリセージ:8千件。この名前の競走馬が居る。
(これもなかなか良い名前である)
・プレセージ;発音が最も近く、語感も比較的良い割に315件。
・プレセージュ:8件。(なんかラノベのヒロインに居そう)

 これは「プレセージ」で決まりかなーと思いきや、「オーラ・リー:プレセージ」と並べてみるとなんだかものすごくしっくり来ない……というか。
 いろいろ悩み、最終的には検索結果500件くらいの「プレセイジ」採用しました。
(同名でセイコーの時計があるけどヒットは少なめ)
 なお「プリセイジュ」「プレセイジュ」ほぼ該当なしの状態でした。

 いったんコレだ、と決めてみるとスタンエッジっぽくて強そうだし、千原せいじっぽくて親しみがあるし(えっ)ってことで今ではとても気に入っています。


 ……で、そもそもなんでこんなにヒット数を気にするのかって、うまく行けば検索結果を独占できるだろSEO的な意味で(ゲス顔)ということです。
  ※地味に大事なことだよ!
 ただ、もちろん明らかに発音の違う「プリ」は使いたくないし、でも既存の商標との競合は避けられるものなら避けたいし……とか考えました。
 正直「読み」とか適当でもいいと思っていたのに、いざ公開直前となると、やっぱ名前って気になるものですね、寄生生物じゃないもんで。

 まあそんなわけで、「プレセイジ」オレの物とできるように今後も努力していこうと思います。
 なお、この曲を呼ぶ際は「プレセージ」でも「プリサージ」でも好きに呼んで結構です(そこは別にこだわらない)。
 あと「プリサージ」「プリセイジュ」「プレセイジュ」あたりは、もったいないので誰か魔法、国、キャラ名とかに使ってみてください。

(追記)
 いま現在、動画/この記事の公開翌日ですが、すでに「プレセイジ」の検索結果は1ページ目のうち6件がこの曲関連というプチ制圧状態でした。
 こういうことです。
  →まあいつまで保持できるか分からんけど。

検索しやすいって、良いことだと思うんですよね)




◇歌詞について
 右側が原詩で、左側は歌いやすく和訳した自作のアレンジ歌詞です。

春の柳に 鳥が憩う
午睡に聴いた 歌はオーラ・リー
オーラ・リー オーラ・リー 春の陽と
明けの燕は 君とともに
When the blackbird in the spring
On the willow tree
Sat and rocked, I heard him sing
Singing Aura Lee
Aura Lee, Aura Lee
Maid of golden hair
Sunshine came along with thee
And swallows in the air

花と音色を 君は咲かす
蒼の目は明けに瞬くよう
オーラ・リー オーラ・リー 紅の鳥よ
春告げる歌 聴かせてくれ

In thy blush the rose was born
Music when you spake
Through thine azure eye the morn
Sparkling seemed to break
Aura Lee, Aura Lee
Bird of crimson wing
Never song have sung to me
In that sweet spring

冬の嵐に 柳は揺れ
クロウタドリも 歌をやめる
いつか君に 逢えるはずだ
オーラ・リーの歌が 胸を照らす

Aura Lee! The bird may flee
The willows golden hair
Swing through winter fitfully
On the stormy air
Yet if thy blue eyes I see
Gloom will soon depart
For to me, sweet Aura Lee
Is sunshine through the heart

雪野に芽吹く ヤドリギで
陽のくちづけを 君は受ける
オーラ・リー オーラ・リー 誓った愛は
春の燕と ここに帰る

When the mistletoe was green
Midst the winter's snows
Sunshine in thy face was seen
Kissing lips of rose
Aura Lee, Aura Lee
Take my golden ring
Love and light return with thee
And swallows with the spring


 正確な和訳の例として、こちらのサイトを参考にしました。
  →http://www.geocities.jp/ezokashi/english/e_auralee.html(原語で歌う海外曲)


*原詩の考察と和訳のこと
 「オーラ・リー」の原詩は4ブロックになっており、その内容には起承転結があります。

 1番では紅茶でも飲んでいそうなおだやかな午後の情景です。
 日溜まりの中で鳥の鳴き声が聞こえてくるヤナギの木が金色に輝く髪のように見えて、ふと恋人の面影を思い起こすような内容です。

 2番はそのヤナギの美しさと儚さを讃えつつも、それが今にも消えてしまいそうな予感をほのめかしています。
 幸せそうな情景のようで、遠い春に聴いた歌を恋しく思うような内容です。
 鳥の色がredより生々しいニュアンスのあるcrimsonなのは、ひょっとすると何らかの悲しい比喩なのかもしれません。

 ちなみに「蒼の目は~」はちょっと厨くさいかと思いましたが、実際に歌わせてみると「その目は」のようにも聞こえるせいか案外違和感はありませんでした。
 まあCrimson Wingと対を成すようなAzure Eyeであって、Blue Eyeではないってのも考えるとやはり「蒼」が適切かなと。

 あと、自分では「花と音色を君は咲かす」の表現が気に入っているんですが、そういやMEIKOの派生キャラで咲音メイコっていたなあと思い出しました。
 正直、ミクにネギみたいなメタっぽいネタを入れるのはあんまり好きじゃないんですが、ここはそういう意図ではないしまあいいかってことで残しました。
(余計なことを書いていくスタイル)


 そして感情が爆発するのが3番です。
 になるとヤナギが激しい吹雪にさらされ、歌っていた鳥たちもどこかへ飛び去ってしまいそう。

 それでも、またあなたの目を見ることができたなら、この憂鬱は吹き飛ぶんだ

 ……と歌っています。
 4段落のうち、唯一サビが「オーラ・リー」x2ではないというのも、生きる希望のごとく再会の時を待ちわびていること、そして鳥たちが歌う「オーラ・リー」の歌がその支えになっていることが表現されています。

 和訳の「クロウタドリ」は1番にあるBlackbirdのことで、美しい鳴き声の鳥だそうです。
 作詞では「オーラ・リーの鳥も飛び去るだろう」(いまいち)とか「歌う鳥たちも姿を消す」(微妙)とかさんざん悩まされたところで、結果いい感じに「クロウタドリ」が収まった時はホッとしました。
 しかしさほど長い曲でもないのに、原詩では黒歌鳥、金(の髪と指輪)、紅、蒼、緑となかなかカラフルな内容ですね。


 最後の4番は、つらい冬を越えて約束が果たされる場面です。
 まだ雪が残る中、緑に色づいたヤドリギで待っている恋人……というのがまたドラマチックです。
 渡されるGolden Ringはもちろん婚約指輪のことでしょう。
 ツバメについては、季節ごとに旅に出て春になると帰ってくるという習性があるため、ここでも希望の春の象徴として描かれています。

 ここでMistletoe(ミスルトー、ヤドリギ、宿り木)は日本だとあまり馴染みがありませんが、海外ではクリスマスの日、ヤドリギの木の下に居る女の子にはキスをしても良いとかいう爆発案件的な風習があるのだとか。
 ディズニーランドでもクリスマスになるとヤドリギの飾り付けがあるそうなので、欧米ではわりと一般的みたいです。
 それにしても、幸せなキスをして(えっ)……ではなく、暖かい春の日差しが君にキスをするかのようだったとまとめるのがまた素晴らしいセンスですね。

 和訳の面では、「雪野に芽吹く」俳句並に文字数を削ることができてよかったなと。
 あと最後の「ここに帰る」冗長性の面で気を遣った部分です。
 ここが単に「帰る」だけだと、「お帰りなさい」(帰還してくる)「お帰りください」(撤収していく)のどちらとも取れるため、明示的に「ここに」を付けました。
  ※大事なことだよ!!
 まあ「魂のルフラン」なんかで”私に”還れって言っているみたいに、ちょっとこだわっておきたかったところです。



 という感じで、ヤドリギなのか宿り木なのか、ヤナギなのかなのか、クロウタドリなのか黒歌鳥なのか……なんかもあれこれ悩みながら、できるだけ原曲の意図を損なわないような意訳を心がけて作詞してみたよ、という話でした。


*原詩の古風な表現
 オーラ・リー非常に歴史のある歌なせいか、調べてみると2パターンの原詩があるようです。
 以下サイトの歌詞だと、On the willow tree~'neath the willow treeだったり、Through thine azure eye the mornIn her eyes the light of mornになっていたりと細部が異なります。
  →参考:http://specialneedsinmusic.com/folk_song_pages/aura_lee.html
 ▼上のほうに貼った動画では、この別パターンの歌詞で歌っているのが分かります。

 曲名についてもAura LEEAura LEAの表記がありますが、これらはどちらが正解というものではありません。
ヴァルキリーとワルキューレみたいなものかな)
 個人的には、上記のThrough thine azure eye the mornにあるthine(ザイン)という響きなど、全体的な好みでそっちのほうを採用しています。

 ところで、↑の部分のthineや、3番にあるthy(ザイ)というのはyourの古語にあたるようで、「汝の」「そなたの」といった意味合いになるのだとか。
 このあたりの呼び方は、今回の和訳では「君」で統一しています。
 現代で「キミ」のように言うとくだけたイメージですが、「君臨」、「主君」、「平和の君」等と言うように、本来「君」は今で言う「~~様」か、あるいはそれ以上の重い敬意や親愛をこめた敬称である……という意図で使っています。
  ※ちゃんと考えてるんだよ!


*原詩の音韻
 原詩についてですが、よく見ると二行ごとに韻を踏む形式なことが分かります。
1番で言うと、こんな感じです。

・spring~tree → sing~Lee (~ィング、リー)
・Aura Lee~hair → thee~the air (ィー、ェアー)

 最初のうちはまったく気づかず、"Music when you spake"あたりの対句みたいな言い回しは面白いなーとか思ってたら、そこもspake(スペイク)がbreakにかかっていたりしてよくできた詩だなと驚いたものです。
 こういうことも知っておくと、また歌への愛着がわいてきます。



◇ボーカルについて
 MEIKO V3には5つのライブラリ(音色)があります。
 今回はほぼすべてPOWERですが、一応英語以外の4つ全部を使っています。
 ここでは構成を書いておきますので、ライブラリごとの声の違いの参考にしてみてください。

・最初(1番メロ):DARK

 ほぼダイナミクスをいじらず、ビブラートも控えめ。
 インサート・エフェクトまったく無しノーガード状態です。
 気だるい感じの雰囲気がわりと好みなので当初は全編ダークライブラリにしようと思っていましたが、ちょっとクセが強いところがあって使いこなせませんでした。

・1番サビ~2番、3番サビ~最後:POWER

 あらゆる場面ダイナミクス(音量)をいじりました(楽しかった)
 Dynamics以外の設定はほぼすべて固定値です。
  →本当はBreathinessとかいじるべきなんだろうけど最初なので無理はしないスタイル。
 当初パラメータをいくらいじってもど~~~~もサビがしょぼいなあと悩んでいて、ふと冗談みたいなノリでサビだけ1オクターブ上げてみたところこれだという声が出てきて、そこでようやく完成の目処が立ったなと思いました。
 さすがにそのままではオケと馴染まなかったので、インサート>Room Reverb>プリセット「Bedroom」を付けています。

 ちなみに自分では、3番の「オ↓オ↑~~ラ・リーの歌が~」のところと、4番の「ヤ↓ァ↑~~ドリ~ギで~」の二箇所が特に気に入っています。

・スローで「あ~~あ~あ~~」のとこ:POWER+STRAIGHT

 実際に曲を作り始める前はまったく考えていなかったパート(Cメロっていうのかな)。
 メロディノートをコピーして、音程だけ変えた二人目にハモらせています。
 ストレートパワーとよく似ているので、途中でちょっとだけ雰囲気を変えたい時にも良さそう。
 なお今回はパンクなスリーピースバンドを想定していたので、全編でハモり(コーラス)があるのはここだけです。
(次回作では死ぬほどハモらせようと思います)

 この部分はインサート>Chorus(デフォ)でかなり強調させました。
 あと2番の直後でアーアー言ってるところは、少しダイナミクスを下げつつやや強めのリバーブをかけています。

 余談ですが、このシーンはこんだけ走ってもまだゴールできねえのかよという闇堕ち気味な感情を明るく昇華したところです。
 漫画「昴」(→◆レビュー)で言うと、弾けるような笑顔なのに内心「死んじゃいたいっ♪」と思っているあのシーンみたいな感じです。
 そんなこともあって動画を最初から通して再生すると、我ながら何度見ても辛いような励まされるような気持ちになるお気に入りのシーンですね。
  →それもあって、後のオフボーカル系動画でかなりコスっています。
 ちなみに映像でのモーションにも「泣き走り」等のしんどい系を使っていたりします。


・雪が降るとこ(3番メロ):WHISPER

 自分が作ったメロディを、初めてウィスパー(ささやきライブラリ)に歌わせた時のあの衝撃胸に来るなにかがありました。
 こんなもん絶対使いたくなるだろってことで、歌詞的に最も切ない部分にねじ込みました。
 そのままでもとても良い声で歌ってくれるので、ダイナミクスはフェードアウト程度の最小限しか調整していません。
 かなり目立つ部分なので、Studio One側からインサートのPhaser(たぶんデフォルトのまま)揺れてまとわりつくような効果を付けています。


*メロディが自然にズレていく幸せ
 全体的なメロディラインですが、音程自体はほぼそのままで、2番の「明け↑に」と4番の「くちづけ↑を」だけ微妙に変えた程度です。
 ただ、そのリズムは一般的なオーラ・リーと比べてちょっとズレた感じになっています。

 普通だと「はーるーのーやーなーぎーにー」というシンプル四分なのが、

 本作では「は~~るの~~やな~~ぎに~」みたいなことになっています。

 これは狙ったわけではなく自然とこうなったものです。
 むしろこれが普通のオーラ・リーだとしばらく勘違いしていたくらいです。
 改めて見れば▼↑の原曲動画もやや独特で、その影響も多少あったかもしれません。
 少なくとも、これが自分にとって最も気持ちいいリズムだったのは間違いありません。


 で、それなりの楽器経験も踏まえてリズム感には若干の自負があったため、ボーカルについてはすべてのノートを1/32拍単位で調整しています。
 基本リズムは↑の通りですが、さらに、

 「とり~~がい~~こう~~」ではなく

 「とおり~~~が、い~~こぉ・お~~・う~~」とずらしたりしました。

 あとブレスについても自分が歌ったらここで息が切れるなとか考えつつ徹底的に設定しています。
(息継ぎはオケに隠れてほとんど聞こえませんが……)


 いやあ、楽しかったですね。夢中でした。
 やっている間、頭の中は久保田利伸です。(え?)
 もうただの自己満足だろうがいじらずにはいられなかったですね。

 今回の一連の作業でも、特にボーカルの調声中は……なんというかDTMってやばいなあと思いました。
 「ゲームを遊ぶより、ゲームを作るほうがはるかに面白い」なんて話も思い出したりして、ああ、こういうことかっていう。

 まあいい年してこんなことに夢中になって、いま自分が進んでいる道が深みにはまっていくバッドエンドルートだったらどーすんだって話ですが、とりあえずもう何曲か作って自分の運命力を見極めてみようかなとか思っています。


*ボーカロイドの英語発音
 今回は最初から日本語でと決めていましたが、MEIKO V3には英語ライブラリ「English」も収録されているのでまあ多少は試してみました。
 結論から言うと、これはちょっと鬼門だなあという印象です。

たとえばですが、

・came along with thee
・in the air


 これらはどう発音されるだろう? と考えてみてください。

「ケイム・アロング・ウィズ・ジー」 と、
「イン・ザ・エアー」 でしょうか?

 んなわけないですよね。

  came along は子音~母音がくっついて「ケィマロン」となるだろうし、 with thee ならの音が片方省略されて「ウィッジー」 the air 「ジ・エーァ」となるのが普通でしょう。
▼↑の原曲動画もそんな感じ)

 これを実際に歌詞の流し込みで適当に歌わせてみたところ……、
英語曲のテスト:MEIKO V3 Englishライブラリ

came along 「ケィららーん」みたいな謎発音 with thee 「ウィズ、ジィー」とハッキリ分割した歌い方になっていました。
  →どっちも間違っているわけではないんだけど……。
 もちろん歌い方のアレンジ(個性)やテンポ等でも変わってくるところではありますが、少なくとも in the air 「イン・ザ・エーァ」と歌ったのだけはありえないと思いました。

 theって、基本的に直後が子音なら「ザ」、母音なら「ジ」になるんですよね。

 トドメの一撃で 「これでザ・エンドだ!!」 とか言わないし、
 ディオだって 「時よ止まれ! ジ・ワールド!!」 とか絶対言いません。
 地球はジ・アースであってザ・アースではなく、月はザ・ムーンなので「フライミー・トゥー・・ムーン」とか言いません。

 こういうルールってネイティブの人でも意識しているわけではなく、日本人が「~匹」当たり前のように1ピキヒキビキと使い分けるような感覚なんだとか。
 面白いことに year は母音と思いきや「半母音」だからどちらでもいいらしく、そのせいか「カーオブザイヤー」とか「クソゲーオブザイヤー」あたりは日本人の感覚でも違和感が無いんですよね。
(うるせー馬鹿)
 いずれにしても、こういったことをスルーして直感的におかしい発音ばかりだと雑だなという印象を与えかねません。


 まあ今のところEnglishについては本当にほんのちょっとしか触っていないんですが、ごくわずかなサンプルでもこの有様です。
 発音の問題だけでなく、声自体のロボット感も強いため、自分には日本語ライブラリの数倍の違和感がありました。
 もちろんすべての歌詞をボカロ発音記号で入力するとかしていけばそのうち自然に調声できるのかもしれませんが、単純にワクワクしながらEnglishライブラリに歌わせてみた時のガッカリ感を払拭するのはけっこうな難関となるでしょう。
 ひょっとすると、もう日本語ライブラリをやりくりして英語っぽく歌わせるほうが近道なのではとすら思います。
(まだまだ実験的な存在なのかなあ)

 そして、もしボカロファンの中に潜む英語警察の方々が聞いたらこの程度ではなく、もっと深刻でややこしい不和がボロボロ出てくることでしょう。
 そういうアラを全部自分で検出して、どーにかする作業を思うと、やはり英語曲を作るのはイバラの道かなという気がします。

 もちろんボカロを楽しむため、気軽に英語曲を作るのもそれはそれでいいと思います。
 でもガチで曲を作ろうという場合、気付かずに「俺のジ・ワールドでザ・エンドだ!」(ドドドドドドヤァ……)くらいの単純な間違いが多数潜んでいる可能性が微粒子どころか粉塵レベルの高確率で存在していることは覚悟しておいたほうがいいと思います。



◇オケの打ち込みについて
 一応MIDIでピアノロールをいじる程度の経験はあったし、楽器経験やカバー曲だというのもあって音楽的な面ではあまり苦労しませんでした。

 大変だったのは、やはりStudio Oneの操作に慣れることでした。
 インストールが終わって、マニュアルを見ながら新規ソング→適当なテンプレートを選択して出てきたのが以下の画面。

Studio One 初起動時の画面で心が折れかける@MEIKO V3
(!?)

 いやーびびりましたね。
 ボタン多すぎてガチでどこをいじれば音が出るのかすら分からんような状態でした。
 これには思わずウィンドウをそっ閉じしそうになりました。
(わりと深刻に初見で心が折れるところだった……)

 ようやく操作を理解し始めた後も、終始音作りで悩み、クリッピング対策で悩み、名前だけは聞いたことがあるヤーツとしておなじみのイコライザ、コンプレッサ、センドエフェクトなんかに首をひねる毎日でした。
  ※良い経験になったよ!!
 まあそのあたりの使いかたの話はまた今度にして、ここでは各楽器の設定などについて。


*全体的なこと
 本作Aura Lee: Presageブランキー、ハイスタみたいな3ピースバンド(三人組)を想像して作りました。
 このため、ベースあたりが歌えば三人で完全再現できるような曲になっています。
 
 まあ3ピースのこだわりはあまり無く、鍵盤経験が致命的に乏しいのであまり多数の楽器を入れるのが困難だったり、そもそも処女作なのでできること/わかることに絞ったという事情がありました。


 あと、完成が見えてきたあたりではセオリー通りの「全体に軽いリバーブ」をかけていました。
 これをやると声の位相補正の面で「取ってつけた感」が緩和されるんですが、同時に全体にモヤがかかった感じにも感じました。
  →まあ加減や設定の問題なんだろうけど。
 特に、せっかく入れたベースの音がなに弾いてんだか全然分かんないようなのはイヤだったので、今回は楽器にはリバーブとかかけない方向にしました。

 とにかく各個の音を埋もれさせたくなかったので、慣れないイコライザなんかも使って音色の好みより、「聞きとれること」を重視しました。
 さすがにベースやギターはだいぶ変な音になったかもしれませんが、自分では何百回、何千回と聴いているうちに気にならなくなりました。
 まあ細かいことはいいんだよ! バーカ! バーカ! ファーーwww くらいのテンションじゃないと動画投稿とか怖くてできないのでこれでいいのだと思うようにしています。


*ギター&ベース
 テキトーです。 ※テキトーだよ!
 もうほぼコードなぞってるだけです。

 基本リズムは定番のデデーデ・デデーデをひたすら繰り返すイメージです。
 ただ2番サビ、間奏、4番サビの一部だけデデデデ・デデデデのベタ弾きにしていて、そのあたりは自分でとても気に入っています。
 どのくらい気に入っているかと言うと、ちょっと心が弱まった時に聴くとうるっと来るくらいです。
 実際  再生数はゴミカスでも  自分が一番聴きたい曲を作るってのは大切だなと(それだけでもいけないんですけどね)。

 今回のギターは全編でパワーコードなので、細かいコードの揺れとかはガン無視してサクッと仕上げました。
 ベースに至ってはほぼコード音を8分で弾いてる「だけ」という手抜きぶりです。
 ただ、まあ結果的にこういうのもいいんじゃないかなと思っています。
 お手本にするにはショボすぎるかもしれませんが、やる気はあるけどコードとかサッパリなのですという方は最低限のベース+パワーコードで押し切るストロングスタイルってのもいいんじゃないでしょうか。
  ※それで曲が生まれればいいんだよ!


 唯一だいぶ悩んだのが、冒頭と3番メロの妙なリードギターです。
 ここは当初から、そう簡単には把握できない変態的なリズムにしようと決めていたためあんな感じになりました。
 内部的にはネタもちょっと仕込みつつ、変だけど極端に違和感が出ない程度にまとめたつもりです。

 この時、Studio Oneスケールを固定する機能を見付けたため、これを有効にしてGメジャーで音を付けていきました。
Studio One でスケールを固定するボタン
(ここにチェックを入れると、選択中のスケールにある音しか入力できなくなる)

 これを使うとかなり雑に入力してもほぼ違和感が出ないので、今後ギターソロなんかでお世話になりそうです。
 ただ、他のパートや特にドラムを打ち込む時にこれにチェックが入ったままだとなぜか音がでない……? と悩むことになるので注意。
(これ気づくのにすげー時間かかった……)

 ちなみに、前述の通りギターはあくまで1本(一人)で全部弾くような構成です。
 まーリードギターとリズムギターが切り替わるとこでエフェクタースイッチでも踏めばできるんじゃねーの(適当)


*ドラム
 自分が最も自信があるのがドラムです。
 だいぶ昔ですが本物のドラムや電子ドラムなんかもしょっちゅう叩いていたので、ようやくあのクソみたいな日々が昇華される時が来たなと(万感)。
 おそらくドラム経験者の方ならほんのちょーーっとくらいはニヤッとして頂けるのではないかなァァーーーー……と思います。

 まず、打ち込みでかなり気を遣ったのは「人間が叩ける演奏内容である」ということです。
  ※特に意味の無いこだわりだよ!
 要するにスネア+タム+ハイハットみたいに三箇所を同時に鳴らすとか、16ビートのハイハットを刻みつつスネアも叩くみたいなことは避けています。
 セット的にはタムはハイ・ロー・フロアの3つ、シンバルも高・中・低の3つというわりとよくある感じです。
 ちなみにBPM:170で、間奏にあるバス三連打とかを無視すればツーバス無しでも十分人間が叩けるレベルなはずです。

 ドラムにはボーカルと同等、あるいはそれ以上なくらいを注ぎ込んだので書きたいことが山ほどありますが、ありすぎるのでここでは箇条書きで。

・最初:一番最初の3つだけ三連符→アクセントの無い16分
・16分HH:ツツツツツツという伝統的なアクセントを仕込むだけで急に人間ぽくなるのが面白かった
・HHopen:16分を再開する前に、ちゃんとフットペダルで閉じる音を入れていたりする
・弱めのスネア:スネアロールっぽいけど単なる16分連打で、意図的にアクセントを不規則に散らしただけ

・サビのタコタコ:1番はシンプル、二番はちょっとバスを多め、三番は発狂、四番は左右シンバルで起承転結っぽくした
 ※全部同じじゃないんだよ!
・2番のメロ:ハイハット(閉)はきっちりアップ&ダウンストロークさせた
*四小節ごとに、シンバルを叩かずに \ッタタ/ とやりたくなるのは手クセみたいなもんかなあ
*このあたりの元気がいい感じのフィルインはなかなかお気に入り
・2番サビのフラム:なかなか自然な音にならず、わざわざ補助用のオーディオトラックを使ったりして気持ちの良い スタッ! を目指した
  →まだ改善の余地はありそう。
・間奏中のCメロ:フロアはボンボン……ボン・ボンボボンみたいな感じ
*で、出た~!「んっ、ターン!」って感じでスネアとシンバルを一緒に叩く奴~~

・3番メロ@冒頭:ギターがコード弾きからメロディに切り替わるので、そこをうまくごまかすためにクラッシュを乱発していくスタイル
・フットペダルからスネアに移るとこ:フロアのドロロンはうまくハマったと思う
◇3番サビ:
・狂った感じにしたかった
・HHをフロアにするだけでは芸が無いので変なリズムにした
・スネアとフロアだと「……ズタッ、ズタッ、ズタンズン」
(フロアはパン的に右のほうから聞こえます)
・スネアとバスなら「タッドッタッドッタッドッタドッド」
・合わせると「タッドズタッドズタッドズタドズド」
・ね? 簡単でしょう?
・途中からは「……ズタッズズタッ、ズタンズン」にしたりフィルインを入れたりした

 こんなんできるかと思うかもしれませんが、こんなもんはちょっと叩ける人なら数分でマスターできるレベルです。

・3番サビのフィルイン:タタタン、トトトントトトトドド↑ド↑ってとこは今作で一番のお気に入り
・4番メロ:ライドは・・・カン・カカカン、・・・カン・カンスカスカって感じで、最後の2つだけ16分ウラになっていたりする
・4番サビ:左右シンバルを交互に叩きながらのタカタカ
*ここのバスは「ドン、ドン、(ン)ドッド」のリズム(最初の2つはスネアと同時)
*もし自分が叩くとしたら終盤はスタミナ的に瀕死だろうなあとか想像してしまって、4番のフィルインは全体的にとても地味
(難解なフィルインって思い出すだけでも体力を消費するよね的な)
・最後:ロール風連打の後、頭に三連符を付けたタム3種なだけだが、徐々に減速するのをMIDI的に表現するのが地味に大変だった



 はい、そんな感じです。(簡潔)
 興味のある方はオケのほうもじっくり聴いてみてください。
(後日、ボーカルOFF版は別の動画で上げる予定)
 →追記:◆上げました。



◇映像について
 今回の動画では、楽曲が完全に完成してからようやく映像部分に着手しました。
 まあ去年の2月にMEIKO V3を購入したわけだから、うだうだやって(主にメンタル的な問題で)編曲には1年くらいかかったことになります。
  ※……!
 それを考えれば、着替えに2日、MMDモーションに5日、字幕+雪エフェクト付加+最終調整に1週間くらいだったので、映像部分は比較的スルッと完成しました。

 まず自分はまったく絵が描けないので、今回は軽い気持ちでMMD(Miku Miku Dance)を使ってみました。
 さすがに当初は大変でしたが、各種解説や動画も充実しているためそこそこ短期間でまあまあなものが作れたと思います。

 主に使用したものはこちら。
◇MMD:VPVP公式
http://www.geocities.jp/higuchuu4/

◇PMDエディタ:以下wikiあたりを参考
http://www6.atwiki.jp/vpvpwiki/pages/121.html

◇AviUtl+拡張編集Plugin:
http://spring-fragrance.mints.ne.jp/aviutl/

◇ごまもり様制作:ギャルソン衣装(着替え用) http://seiga.nicovideo.jp/seiga/im3967351

◇susuki様制作:走歩ス3.0(歩いたり走ったりスキップしたり ver3.0)
http://www.nicovideo.jp/watch/sm21263509

 方針としてはこんな感じでした。
・とにかくMEIKOを動かしたい
・他キャラ、アニメキャラ等からの流用は避けたい
・やや長めのスカートを着せたい
・最後はシルエット演出にするので細かいことは気にしない

 ってことで、まず着替え用フリー衣装を探して、MMD収録の基本メイコ着替えさせることにしました。
 まず、2つのモデルをそのままPMDエディタで読み込むとこんな感じ。
MMDモデルの着せ替え@PMDエディタ
(サイズはかなり違う)

 ここから独学でサイズや位置を変え、腕や胴体を消したりしてなんとかしたのがこちら。
 モデルが出来上がったら、これをMMDで読み込んでテストしていきます。


 さすがにこんな適当に作ったモデルを動かしたら変な挙動になるだろうなーと思ったらわりと普通に動いてしまうのはちょっと、感動モノでした。
  ※まったくとんでもないソフトだよ!
 実際は手首が変な方向に伸びたりとかもありましたがそういうフィックスは得意なので、方法がおおまかに分かった後はあまり苦労しませんでした。

 ちなみに今回使用したギャルソン衣装って、実際にはスカートじゃなくて切れ込みがある前掛けだったことにはだいぶ後になって気が付きました。
 このため、激しく走るシーンでは腰巻きみたいなことになっちゃってます。
 まあシルエットならあまり気にならないし、これ以上モデルをいじる知識も無かったのでそのまま使いました。
  ※細かいことはいいんだよ!

 しかしとんでもなく重大な問題に気づいてしまったため、その点だけは全身全霊をもって解決に取り組みました。


 ↓


(よし)


 続いてMMD上の作業としては、susuki氏の配布モーションがガチすぎなレベルで豊富だったため、これらをあれこれ切り替えて使う方向で進めました。
 よく使ったモーションは「前も見ずダッシュ」、「ヒーロー走り」ですかね。
 振り返ってみるとひたすら走ってるだけみたいな動画ですが、まあ日本アニメのオープニングっつったら走らなきゃねってことでこれでよかったのかなと思います。

 やりかたとしては、モデル位置は開始地点で固定したままカメラをブン回した感じです。
 とりあえずモーションデータを読み込み、その終端(3600フレームあたり)の「全ての親」を削除すれば移動しない足踏み状態になります。
  →形式によって一部例外あり。
 あとはつなぎ目で手足の動きが自然になるように調整したり、「拡大縮小」で加速/減速したりといった感じです。
 唯一3番ではちょっとだけ手の演技も設定しています。

 ここで、MMDからは背景画像ファイルに緑単色の画像を入れて出力させています。

 それをAviUtlで読み込んでクロマキー処理させるとこんな感じ。
 もちろん最終版ではグリッドやXYZ軸も消しています。

 正直、↑この部分が実現できるのかは(それなりの自信はあったけど)わりと見切り発車でした。
 実際には、期待以上にクッキリした良好なクロマキー処理が可能だと分かったため非常に大きな収穫として今後にも活かせそうです。
 ついでに、どういう理屈か把握していないのですがモデルの影部分はちょっと薄い色で描画されている点もうれしい誤算でした。

 で、本作については手の内をさらけ出していくスタイルなのでMMDモデルのシルエット動画化の手順を簡単に書いておきます。
AviUtl+拡張Pluginを用意
・本体側でなく「拡張編集の設定」内でMMDの出力動画を読み込む
・動画の詳細画面で、右上の「+」から「クロマキー」を追加
MMD動画のクロマキー処理@AviUtl

「キー色の取得」をクリックして、MMD動画内の背景色(今回だと緑色の部分)をクリック

・動画より下のレイヤーに単色(真っ白)画像を入れる
・この画像を右クリックして「上のオブジェクトでクリッピング」にチェックを入れればできあがり

 「上のオブジェクトでクリッピング」ってのがポイントでしょうか。
 応用として、単色画像でなく動画を使うなんてのもそのうち試してみたいところです。

 ちなみに反省点として、シルエット状態だとキャラが手前/奥のどちらを向いているのかよく分からないという問題がありました。
 実際、わりと多くの場面でちょっと意図したものと違うかなってところが残っています。
(あれでもだいぶ直しています)
 これはエンコードしてみなければ分からないため修正は結構大変なのですが、またやる時にはカメラワークや動きかたに注意したほうがよさそうです。
  →とりあえず横を向いていればだいたい大丈夫。
 あるいはMMD側でモデルを真っ白な表示にしてテストするのもいいかもしれませんね。


 最後に3番限定の雪エフェクトを付けたのですが、これはだいぶ難航しました。
自作の雪エフェクト@AviUtl

 思いついたやり方は、背景が緑色の適当な雪っぽい画像を数パターン用意し、それをAviUtl上で個別にクロマキー処理しつつ高速スクロールさせるというもの。
 この時は「画像ループ」という機能で雪を水増しする方法を採りました。

 しかし「画像ループ」を使うと、ふわ~~っと落ちてほしい雪が、特定のタイミングだけ急加速&急減速するという謎現象に遭遇してしまいました。
 これなんですが、移動モードは「直線」だし、中間点とか一切使ってないし、付近でシーンチェンジ系も設定していないし、画像の読み込みから新たに作り直しても改善しないしで、ついに原因は分かりませんでした。(バグじゃないのかな……)
  →どうも十秒以上の長時間で画像ループを使うと起きやすい?
 ただやり方なんかいくらでもあるわけで、この時はとにかくでかい雪画像ファイル(5000x5000とか)を作って、「画像ループ」を使わない1枚絵として処理させることで解☆決しました。


 とまあつまづいたこともありましたが、じわじわとAviUtlへの理解が深まってくるとこういうソフトを探していたんだよなあと強く感じます。
(以前はイマイチ不安定「wax」というフリーウェアを使ってました)
 たしかWindows95~XPの頃にちょっと使った記憶がある程度で、正直ほんの数週間前まではなんかたいそう評判の良いソフトらしいくらいの印象でした。
 それが今では拡張編集を装備してこんなことになっているとはまったく思っていませんでした。
  ※もっと早く使っとけばよかったよ!!!!

 実際、多ライン編集にエフェクトもやたら多くて、何より国産フリーウェアだというのが神がかっています。
 さすがに歴史が長いだけあって解説系の記事や動画もほぼ完備されているし、もうみんなAviUtlだけでいいんじゃないかなという感じですね。



 そんなわけで、MMD、PMDエディタ、AviUtlという世界に誇るべき国産フリーウェアと、有志の配布データによりこの動画は制作することができました本当にありがとうございます。
 という話でした。

*(追記)……という気持ちを込めて、ニコニコ版では各種公式をコンテンツツリー登録しているので、そのあたりを少しだけ。
 個人的にはコンテンツツリーの親登録システムって……素敵やん? と思っているので、基本的に使ったものはすべて登録していくスタイルです。

AviUtl公式静画
http://seiga.nicovideo.jp/seiga/im1696493

 コレはもっと知られるべきだと思うし、おそらく今後自分がニコニコに動画を投稿する際は毎回必ずツリー登録することになるでしょう。
 てかこれ公式で……いいんだよね? というくらい素っ気ないのでもったいないというか、そこがいいと言うべきか……。

クリプトン・フューチャー・メディア コンテンツツリー用動画
http://www.nicovideo.jp/watch/so27156384

 ボカロ動画を上げる時、(たとえ一枚絵だろうが)キャラクターのイラストなんかを使うのならクリプトン公式をツリー登録するのがマナーであろうと思います。
 ってことで、自分の動画ではMMDMEIKO(由来のもの)を使っているのでこれも必ず登録するようにしています。
 ただオフボーカル版動画のほうでは、BGMとしてごく一部MEIKOの声だけ入る程度なのでこちらには登録していません。(ボカロ動画でもないし)

 まあ、いずれも強制ではないんですけどね。
 ちなみに現行のHTML5版で見るとツリー部分が下のほうに配置されていてちょっと分かりにくいのはやや残念。  



◇迷わずMEIKOを汚していくスタイル
 さて、ここからはさらに無駄に長くなるいわゆる「ブログでやれ」エリアです。
 まず、先に自分が思う「MEIKO V3」の良いところを挙げるとこんな感じ。

・ライブラリがロック寄りである(結局これが一番か)
・一応英語曲も可能(使い勝手はともかく)
・クリプトン公式キャラで、かつ日本語ボーカロイド第一弾(の、最新版)という出自
(それなりの知名度や、後継ライブラリへの安心感がある)

・実質万年下位安定な立ち位置(※逆に長所)
・見た目と名前が一番日本人っぽい
・この海はギリ青い

 そんな話です。


*メイコ( )
 はっきり言ってメイコって間違いなく不人気ですよね。
 いや自分は(今では)一番好きだしファンが決して少なくないのは確かですが、他と比べると……、ねえ? という話です。
 クリプトン公式で人気投票的なことをやったらまあミク、リン&レンがまず上位安定ですよね。
 あとはお兄さま属性で固定客を持つカイトと、ダブルラリアットやらナイトフィーバーやらたまに突然変異的な超人気曲を出すルカの一騎打ちかなって気がします。
 メイコとか下手するとハクだのネルだのの派生キャラに負けるんじゃねーのっていう。

 おや、こういう話題は嫌いかな?(含み笑い)

 でも思ったまま書いていきますよ。
  ※慣れ合いはいらないんだよ!

 かくいう自分も、正直◆DIVA-fのトロフィー攻略とか書いてたあたりではほぼメイコに興味は無かったです(偽らないスタイル)。
 カイトV3なら動画で知っていましたが、メイコV3とか存在すらまったく知らなかったですね。
 ではメイコに注目するきっかけはなんだったかというと、↓コレです。

◆MEIKO V3に釣られてDTM MAGAZINEを衝動買いしてみたよ!!@2014年2月14日
(だいたいこいつのせい)

 たまたま本屋で見かけたもので、当時は名前すら知らないような雑誌でした。
 その表紙に「ハードなロック」とかいう文字が見えて「ん?」と思ってしまったわけです。
 ペラペラっとMEIKO V3特集をめくってみると「ロッククイーン」とか書いてあって、「……ほう?」と思ったわけです。
 ちょうど◆予約していたDIVA-F 2nd発売の前月だったわけで、もう「ボカロ」に対して最高に好意的な状態だったという後押しもあったのかもしれません。

 そういうモヤっとしたものを抱えている時、なんとなーくDTMマガジン(おそらく最初で最後であろう)「MEIKO V3」の表紙&特集号を買ってみたわけです。
 まあ、この時点ではなるほど分からんという感じで、内容はほとんど頭に入ってきませんでした。
 ただ、直感的に「あれっメイコって俺に向いてんじゃねーの」という思いが日増しに強くなってひとりでドキドキしてました。
 まあ当時は仕事がうまく行かず貯金がシャレにならんレベルだったりしたので、現実逃避もいくらかあった気がします。


 どうも自分にはずっと前から、なぜか頭の中にある曲がいくつかあって、もしいつかそれらを形にするのであれば初音ミクみたいな何かが必要だと感じていました。
 しかし同時に、それはミクではないとも思っていました。
 自分の芸風を考えると、ちょっとキャラがきれいすぎるというか。
 そもそも、昨今の状況では自分がどんな曲を作っても「初音ミク」というキャラクターに呑まれるだけだろうなーという予感みたいなものもありました。
(今のボカロって、「そういう感じ」 無いですか?)

 そこでMEIKO V3です。
 ロック系を得意とし、ワンパッケージで4種類の歌唱スタイル(+英語)があり、それなりの音楽制作ソフトも同梱されている……という点で、すでに自分が欲しかったものが揃っていました。
 そしてキャラクター的なことですが、自分から見たいま現在の「メイコ」の印象は「深夜番組に出ているギリ脱いでないレベルの水着要員」です。
 これらを総合すると、……あっ。こいつは使えるゾ(ゲス顔)と思いました。


 現状ではメイコは未だキャラが薄い感じがして、逆にどうとでもなりそう「余地」を感じます。
 そして、立ち位置的にもメイコなら多少汚しても許されるような印象があるんですよね。
 これがミクだとそうは行きません。
 もう「電子の歌姫」だの「ただでさえ天使」だの、あと「ミクダヨー」ネタとかでイメージが完成されているため、ちょっとやそっとのゲス曲を作ったところであーまたあざとい系のカッコカワイイ曲ねと受け取られて終わるだけでしょう。
(もはやリンレンやルカ、カイトでも厳しい)

 例えるならソリの跡はたくさんあるが新雪も十分に残された雪山のごとく貴重な未開拓地、それが自分の目に映った「メイコ」です。
  ※ブルーオーシャンってやつだよ!
 そんなわけで、今後自分が作る動画では好き勝手なキャラ設定メイコを立派な汚れ芸人として育てたいと思っています。
 愛ゆえに。(便利な言葉だな)


*水清ければ魚棲まず
 さて、自分は稚拙でショボくてもいいから「誠実な曲」が作りたいと思っています。
 自分はゴミクズ(断言)なので、そんな人間が作る曲はドロドロした死にたい気持ちがいっぱい詰まった曲であるべきでしょう。
 たとえ明るく優しい曲調であっても、どこかにえげつない「闇」を塗りこんでおきたいのです。

 たぶん、世の中にはそういう曲の需要が必ずあるし、そういう曲に救いを求める人が必ず居るはずです。
 自分自身がそうだからです。

 まあ正直いい年だし、もう夢と希望でキラキラした曲や、全年齢向けのロックでアイラブユーだのフォーエバーだのやっている場合ではありません。
 アップした動画でも、「初めまして! ボカロ初投稿の○×です!!」なんて似合わないマネはせず◆ニコニコ動画◆YouTubeピアプロいずれも、一番目立つところにしょうもないシモネタ第一声にしています。
 やはり芸風的に、そういうところで日和ってしまうと「BECK」5巻みたいにハゲにギターを燃やされて退場させられるだけかなと。

 一応動画説明欄も作品の一部であるという考えもありました。


 で、そういううんこみたいな奴がうんこみたいな気持ちで作るうんこ曲でも、たぶんMEIKO V3なら上手いこと引っ掻き回してくれそうな予感がしています。
 いったんキミに決めた! と決意すると、頭の中は爆発的な「新曲」ラッシュになりました。
 外出中でも携帯のマイク録音機能にメロディを吹き込んだりして、なんだこれ、なんだこれ(なんで2回言うねん)て感じでした。
 いまだに頭の中だけにあって、録音や採譜、MIDI入力なんかもまったくしていないものがたくさんあり、さらに増え続けています。

 買ってきた記事の時点では↓の仮題リストを上げましたが、細部が決まっていないものも含めればはあります。

 まったく追いつかないです。
 でもすべてに思い入れがあるので一つとして適当には作りたくありません。(プロになれないタイプ)
 そうしてPP、TWL、!v3あたりにたどり着けたなら、きっと自分は救われるのだろうと信じています。

 そんな感じで積み重ねていけば、いつかは勝算も見えてくるかなと。
  ※覚悟しとけよ!


あとがき的なサムシング

 だいぶ痛々しいくらいに長くなりましたが、そのくらい語りたくなるほど切実な精神状態で作られたということは伝わったかなと。
 当然、自分は世界で一番"Aura Lee: Presage"という曲を愛しています。
 今のところアップ数週間で再生数2ケタというまさにカスみたいな存在ですが、すでに何百回、何千回リピートしてもまったく飽きません。
(※再生数の変動が見たいのでローカルで再生していくスタイル)

 この「プレセイジ」は、今後あの手この手で育てていくつもりです。
 直近ではB面としてある動画に使用して、似たような感じでコスっていきます
  →追記:◆これです。

 あるいは全動画が再生数2~3ケタで終わってしまうかもしれません。
 それでも、もしもメイコの汚れ具合がいい感じになっていたならオレの勝ちです。
(その場合は守れなかったメイコファンの怠慢ということになりますね)




 ではまた。

*MEIKO V3を買ってきた時の記事は■こちら。

 MEIKO V3の関連記事は■「MEIKO V3」ラベルにあります。


メイキング・ザ・ロード / Hi-STANDARD

MEIKO V3

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