2016年3月の期間限定無料マンガより、キレッキレのツッコミが飛び交う中原アヤ「ラブ★コン」(1~3巻)の感想です。
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深夜のほっこり飯テロとしておなじみの安倍夜郎「深夜食堂」を追記。
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ラブ★コン
◇好きとかそういうのとは違う 「ちゃうで!」 (ちゃうもん)
表紙からゆるーい感じかなと思ったら、かなりハイテンションな関西系ドツき漫才のノリでした。
おいおい「ごっつ」世代のお笑い審査は厳しいぜ? とか上から目線で見ていましたが、
「僕は大谷じゃありません、小さいので小谷です」
「しっかりせえ大谷!!」 「小谷です」
>>こっ 小谷ーーーっ!!<< 「大谷や」
あたりで完全に心が持って行かれました。
いやもうヒロインが「ええねん! あちこち毛ーボーボーで死んだんねん!!」とか言い出しますからね。
マンガって絵でしかないんですか、やっぱりセリフ回しやコマ割りには「リズム感」が絶対に必要で、そのあたりのセンスを本作からはギンギンに感じます。
ストーリー的には「ドタバタ」というか「ジタバタ」という感じで、もう 完 全 に 出 オ チ みたいな設定ながら楽しませてくれます。
ちなみに中原アヤ氏の漫画は私服センスに定評があるらしく、そのあたりの作画もなにげに注目ポイントだったりします。
あと本作は舞台が大阪なので、主人公だけでなく登場人物全員が関西弁です(これはなかなか珍しい)。
どうも作者も出身が大阪だとかで、こりゃーナチュラルボーン関西人じゃなきゃ書けんわっていう妙なパワーを感じます。
そんなのびのびした雰囲気からか、作者の代表作として全17巻まで続く会心のヒットとなったようです。
やはりマナーとして適度にツッコんでいく感じとか、ミスったら徹底的にネタにしてコスっていく感じとかは実生活で培われたのでしょう。
(個人的には現在大ヒット中のダメ恋よりこういうのが好きですね、っていうといろいろ失礼かもですが)
ラブ★コン モノクロ版(マーガレットコミックスDIGITAL)
深夜食堂
◇いつもの
素朴な絵柄がすべてを物語っていて、派手ではないが丁寧にダシが取られたような妙味のする作品です。
深夜~明け方の営業ながら「意外と客が来る」小さな食堂の話で、短めの1話完結ものです。
登場人物は皆「あれ食べたいな」というメニューが決まっていて、その一品にまつわる話が広がっていきます。
「いつもの」と言ってタコさんウィンナーを頼むヤクザだったり、肉じゃがやカキフライに一喜一憂したり。
本作は、人間ドラマというより「そう言えば、こんな話があったんだよ……」というちょっとした小話みたいな雰囲気です。
そのほとんどは「どこかで見たような話」なんですが、なぜだか一つ芯が通っている気がします。
うすっぺらくないんですよね。
訪れる客が「そうそう、これだよこれ」と言ってまた来てしまうように、たぶん本作とまったく同じ内容でも別の人が描いたら(それはそれでいいかもしれないけど)「うーん、なんか違うんだよなあ」ってなるんだろうと思います。
(こういう「ここにしか無いもの」を持ちたいものである)
あと、読み終えてから副題の一覧を見るとこれがまた無駄が無く的確というか。
大体は「ポテトサラダ」「カニ」とかそのまんまなんですが、ああ、これはあいつが食べてたな、これを食べてああなってたよな、とか思い出したりします。
んで、あれ? これはどんな話だったっけ……と思って「あーそうそうこれだ」とリピートしてしまうわけですね。
以上です。ではまた。
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