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2016年4月25日 
 
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アフタヌーン2016年6月号:厚みを増して物理で殴ればいい(カラスヤサトシ完結)

月刊アフタヌーン 2016年6月号買ってきたよ!

 月刊アフタヌーン2016年6月号を買ってきました。※電子版だよ!
 横のは先日アップした動画が想定の百倍くらいの勢いで伸びつつある◆蓄光ガンプラと、春のパン祭り'2016白いフレンチディッシュ(→◆これ)です。

・表紙:マージナル・オペレーション
・新連載:外木寸「探偵プロビデンス 迷宮事件解明録」カラー2Pあり
・四季賞2016春の四季大賞:松川直央「ふれない恋人」46P
・読切:永田礼路「金色を渡る鳩」56P(音喜多#5)
・読切:三都慎司「ハヤブサ」64P

・完結:アフタヌーンはカラスヤサトシのもの、そろそろ家の話をしましょう。
・休載:花井沢町公民館便り
 →隔号連載はディザインズ:なし、ヒストリエ:あり。
・30作品、998ページ(!)

 13年続いたカラスヤサトシ(※タイトル)は最終回です。
 コミックス完結巻(第9巻)が三日前にすでに発売されている(→◆モアイ公式)あたりのカオス感もカラスヤサトシ(※作者)らしいというか。
 毎日カラスヤサトシ(※タイトル)も完結となるようですが、次号ついに新連載となる藤島先生の「1と4の間」みたいに、できれば(今のところ)「不定期掲載」表記のアメゾ版カラスヤサトシ(※タイトル)はたまーにでも続行してほしいところです。
(アメゾコメントの簡潔さは見事であった)
  ↓
(追記)◆2018年3月号より、アメゾ欄外連載の「帰ってきたカラスヤサトシ」として復☆活しました。
 
 ところで今号は新連載あり+四季大賞の全掲載号+読切2つってことでほぼ4ケタの分量です。
 どうも次号も新連載2本(藤島先生はなんと2話掲載)+読切2本+四季賞からも1本で、その後も良い意味で目を疑った新連載(あれはエグいぞ……@◆公式情報)が続くようだし、この春は「鈍器」としておなじみのアフタヌーンがその物理攻撃能力を発揮してくれそうです。
 まあ自分は電子版派ですが。
(まじめな話、新人の「次」が載りやすいのは実に良いことである)

*■前号はこちら。(2016年5月号) ■次号(2016年7月号)


 感想です。

 
 どうして 一人になれないんだ
 

・マージナル/35:おにぎりバーテンダーが気になって話が入ってこない件
*むさ苦しい回にほぼ全裸でテコ入れしてくるとはさすが迅速対応の悪い女である
*唐突にもらった”平手打ち”──!@告知
・げんしけん/123:おっエンドカードが俺得だった◆アレ
3回も言った! 大事なことですら2回なのに!@なかなかの……
*ああ久々に部室の日常だなあ@吉武の反応&煽ってくる大野さん、そして乱入クッチー
オタクの暗黒面すなあ@さすハラはゲームで遊ぶからな
*通い妻(※男)から現地妻(※男)にジョブチェンジしてとか付けるほどの精神安定ぶりを見せるハトであった
*昔、中古のガロスペや龍虎2のロムを500円くらいで買ったなあ……@近況

・ヒストリエ/95:ちょっとまて(計算が追いつかない)@左腕
・宝石の国/43:月人「メロンとボルツはチートですわ」
・アンダー3/22:エピソード・ゼロ(くさそう)
*男であることを証明するソースでもあんの?(情報源的な意味で)
・おお振り/130:~鎌倉遠足編・開幕~ @次号は休載

・フラジャイル/24:p4の覚醒感パない
タリホーにへら顔それぞれの悲しい笑顔武装がじわじわくる
(ほんとこういう描写うまいよなあ)
*最後1Pの手に負えない系のフリーダム感が圧倒的である
・彼女と彼女の猫/3:つまり部屋を片付けよう、重要なファイルはバックアップを取ろう、という話だな(適当)
・プ~ねこ/145:「無職」のルビが「ぶしょく」(「ぷ」かも)になってて、なんかGショックみたいで響きはかっこいいなと思った
・探偵プロビデンス/新:なんかおっさんの頭身がところどころ少年みたいだな
*アカシックレコードみたいなの持ってるくせにテレビを使おうとしたり、ろくに証拠も無く被疑者呼び出したりと設定がガバガバだが、そもそも単独で新しい部署を立ち上げてる時点でこまけえこたぁいいんだよ的なマンガだと思えばいいのかな
*あとP17、P20なんかの露骨なヘルシングリスペクトはなんなんだろう

・愛を証明/5:だめだどうしてもあのお方◆思い出してしまう@こんばんはオープナー
・BLACK-BOX/11:飲み物=ビール(常識)
*ヘイヘイりょーちんビビってるゥ~@生きる価値なし
・零崎軋識/19:扉絵で
ストロング飽きた宣言
*この超絶上から目線同士の対決、すごく……西尾です(いいよーいいよー)
・少女回路/8:この越えた表現は素晴らしい@峠

 *

*四季大賞@2016春:松川直央「ふれない恋人」
 途中までなんだこれ? と思いつつ、読み終わってみるとこれは格調高いぞと思いました。
 なんとなく本当はもっといろんなセリフやシーンを入れたいが、「作品」のために私情を捨てて、限界までそぎ落としているような印象を受けました。
  ※なかなかできることではないよ!

 内容的には結構ひねった設定常に何かが起こりそうな張り詰めた気配なのに、「つまりこういうことなんですよ」(説明)とか「人はこうして生きるべきなんだ」(持論)みたいな鬱陶しさはまったく無くて妙にスッキリしています。
 あと、かわいい女の子が主人公なのに、あえてほほえむ顔を見せずに小さい「ふふ」の吹き出しで済ましたりするあたりも上品ですね。
 全体的に、余計なものを削って行間で読ませるような姿勢を見るに内に秘めた意識の高さが並大抵のものではないだろうことを窺わせます。
(読み返すと露骨に笑顔のコマが少ないのは意図してやってるんだろうなあ)


 言ってしまうと、設定や雰囲気からは真っ先に乙一作品(日常に潜む不気味だけどちょっとかわいいホラー)を連想しました。
 この特異な設定を活かした ザザザザザ とか コンコンコンコンコンバフバフ みたいなギミックというか遊びがあるのはなんかよかったです。
 ただ、使いようによってはいろんなチート技が使えそうなのに「ふれない恋人」はそういう話ではないってことなのか「シゲさん」が必要以上にでしゃばってこないあたりに自制心というかコンセプトの明確さを感じました。

 何より驚いたのは、まーどこかで「シゲさん」の不可解で不気味な誘導が始まったり、その謎に起因する猟奇的な事件とかが起きるんだろうな(乙一脳)……とか思ってたら普通に終わったことです。
 は!? おおお終わったよオイ!? って感じでした。
 まさか謎の石は謎めいたままで、その正体がどうこうとかも一切なく終わるとは思いませんでしたね。
 もちろん「普通ならこうなるだろう」みたいな思考だったので、これは新しい! と思ったし、読み終えてようやくああ、これは四季大賞ですわとはっきり理解できました。

 まあ最終的に××が恋人(えっ)で大丈夫なのかとか、いやそこは後々シゲさんがうまく導いてくれるのかなとか思いましたが、単純に絵柄がいいというのもあるので、暗い話でもバカな話でもが見たいところです。

(蛇足)
 ところで、タイトルの「ふれない恋人」って、ここ最近では久々に内容通りのタイトルだなあと思いました。
(なんか意味が分からないのが多かったので)
 あと次のページで「君にBET♡」とか言ってるおっさんが居るのを見て、もし遭遇したら数千個の石にコンコンされそうだなあと思いました。

(追記)新作読切「わたしびと」good!アフタヌーン2016年9号に掲載されるとのこと。


*読切:三都慎司「ハヤブサ」
 ◆前作と同じくなんか泥臭い絵柄なのもそのままですが、背景とかの空間認識能力の凄さも健在。
 今回は廃墟のようなゲーム世界で巨大メカやら大☆崩☆壊やらの描写が感情とリンクして壮大なことになっていました。

 コントローラはL・Rx2ボタンに左右対称スティック、タッチパネルに背面LEDっぽい三角と来てPS4でFAとして、ゲームはジオフロントな世界で戦うバトルフロント(のVR対応版)のようなイメージかなと思いました(どうでもいいか)。

 個人的におっと思ったのがp23「欲しいもんがあるんだ」→「標準語うまなったなぁ」のシーン。
 このあたりの会話圧縮感というか、父子家庭でいろいろ自分でできるよ的な描写とか、すぐ後にもう買ってきて開封してる感じはページを削る努力を感じて好印象でした。
 ついでに言うと「やったら色々変わるって言うじゃん?」のくだりも、そういう話題を出す誠意(覚悟?)が見えるような。


 ……んーーーーとですね

 これは私の思い込みかもしれませんが、
 この話はどこか「夢」の暗示のように感じました。

 陸上、あるいは互いの存在を(漫画家、とか……)に置き換えてみるとどうだろうか? と。
 そんなことを考えてしまったせいか、

「自分に酔うな 他人を見るな」
「陸上ができないってきいて少しほっとした」
「こうありたいって理想がまぶしくて」
「3年の努力も無駄やってんぞ! なんで笑ってられんねん」

 ……といったセリフが意味深に感じられました。
 たとえば「新しいことが嫌いな不登校のあいつ」「未発表で終わった作品」の象徴だとしたら、「会いに行く」「一人になる」とはどういうことか……なんて深読みすると、一見やさぐれたラブコメのようなセリフがちょっと冷静には読めないものにも見えてきます。

 そして、すでに止まってもうすぐ終わる場所(=現実的なタイムリミット)から理想の速さで飛ぶもの(=最初のビジョン)を幻視して、ちょっとだけ考えが変わり、ガチな手のつなぎ方で一緒に走り(=過去と向き合いながら)、すごい速さで飛ぶもの(=現実に結果を出している者たち)の陰を不格好に走り、自分が走ったことで水たまりが弾けて波打つ(=世界の反応が返ってくる)のを見たり、理想の速さではなく長くは続かないとしてもやはり自ら走る(=無様でもやり続ける)ことを選び、最後には(失敗した過去を無駄にさせないために)おまえはこれからも走るんだとバトンを渡すわけです。

 いや考えすぎっつーか全部自分の思い込みならそれでいいんですが、受け取り方は読者しだいってことで。

  ↓

 (追記)◆2017年12月号より、新連載「ダレカノセカイ」が始まりました。(やったぜ)



 以上、暑く/厚く/熱くなりそうなを前に春一番どころか突風が吹きそうな中、完結と新連載、新作読切と短期連載が入り乱れ始めた2016年6月号だったくま。(くま?)
 ではまた。

*■前号はこちら。(2016年5月号) ■次号(2016年7月号)

 これまでの分はこちら。 →■「アフタヌーン」ラベル


総革装 広辞苑 第六版


◆アフタヌーン 2016年6月号 [2016年4月25日発売]

アフタヌーン 2016年 06 月号 [雑誌](Amazon/Kindle)

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 (気づかなくて遅れることが多いです)

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