月刊アフタヌーン2014年9月号を買ってきました。※電子版だよ!
ぐぬぬでは言い表せない怨嗟のこもった表紙となっています。
→画像のバンシィは特に関係ありません。
・新連載:沙村広明「波よ聞いてくれ」
・読切:ヤマシタトモコ「不呪姫と檻の塔」(のろわれずひめとおりのとう)102P
・読切:高橋ツトム「涙のタンタン麺」41P、カラー有
・姉妹誌good!アフタヌーンから出張掲載:「はねバド!」45P、センターカラー
・完結:江古田ちゃん (マジかー……)
・四季大賞@2014年夏:いさかわめぐみ「旧世界の魔女」 62P
・巻頭特集:「映画化史上稀に見る納得のキャスティング」と話題の実写劇場版寄生獣を演じる面々からコメント
・休載:隔月掲載のヒストリエのみ(実質なし!)
新連載は「無限の住人」とはだいぶ違いますが、脅威のサバけっぷりを見せる新ヒロインに「いつもの沙村先生」を確認して非常に安心しました。
→萌えとは違う方向で男好きのする女という感じ。
思えば最近のマー君の対応あたりから薄々そんな気配もありつつ完結してしまった江古田ちゃんに代わって自滅系ゲスヒロインの座を引き継いでくれるかもしれないしそういうのではないかもしれません。
(いずれにしても今後が非常に楽しみ)
なお個人的には、以下の二点から月刊アフタヌーンという雑誌の根底に流れる大切な何かを感じました。
・今年二回目の読切として3桁ページが掲載され、その翌月号から新連載開始という漫画に憑かれているかのような速筆超人ぶり(プロである)
・選考員を務めた受賞作が掲載される号に自ら新作読切を出してくる豪傑ぶり(ロックである)
+ ■前号(2014年8月号) ■次号(2014年10月号)
カプセルのミギーを回してきたのでその他のいろいろと記念に。
内容は、前号から新連載の恵三郎氏掲載号の四季賞ポータブル、今号から連載開始ってことで前作むげにん最終回号、そして次号シリーズ作(軋識)が始まる零崎双識のベンダブルフィギュア付録です。
なお、ミギーのレビューは◆こちらです。
では感想。
「生卵子」 とか書くと
ホントにめちゃめちゃ生々しくなってしまって……
・ヴィンランド/106:密航に成功して完全勝利するグズリーズUC(※一角)のフラグが
*片道1年ってもう「ギリシア編・始動」ってレベルだなあ
*予告@68の城之崎に行ってでも世の中を変えようとする気持ちに胸を打たれた
・げんしけん/102:ササイモからの呼び方使い分けと明朝体がマダラメを襲う──!!
*長く読んでてよかったと思う回だった
フラジャイル/2:しれっと68ページなんだけどこれ37ページの後に扉絵入れれば普通に前後編になる分量ですよね(そしてコマ密度が高い)
*3つの話が同時進行する構成なせいか、いろいろ理解するのにしばらくかかってしまった(前後編だったらもっと難解だったろうなあ)
・宝石の国/22:三半も今やストップ高の急成長株だというのにこの鬱ムードはいったい何
・シドニア/64:内部工作の無慈悲ぶりがガチである&絶望展開開始?
*カチカチカチがなんかよかった
・マージナル/15:本部襲撃よりロリのうるんだ瞳に動揺する非凡な才能
*そういえば次のCoDはPMC(民間軍事企業)らしいなあ
・カラスヤ/?:だいぶ前に羊水がどうとか言っていた人が居たなあ……
・マルさん/3:そろそろ妹も何か食べて
・天地明察/34:リブートしたえんさんの憂い顔は格別である
・はねバド!(出張掲載):闇の無いまっすぐガールズにはさすがに苦笑……とか思ってたら次のページが↓これ↓という無慈悲な掲載順はどういうことなんだぜ?(錯乱)
・アンダー3/4:オチの軽いダジャレに対して視覚化がハードコアすぎる
・謎の彼女/90:パンツハサミと回転は同時使用できるのか(展開する右手の数が九頭龍閃どころじゃないな)
*水着→浮気→ハサミと来て別のオチ(あせっ)を付けるのがなんかよかった
・スパイの家/3-5:話はよく分かんないけど今のところ蓮見さん>>娘>=ロシアンかな(えっ)
・コトノバ/7:なにこのホラーコメディこわい(カナブン)
カラー広告では、電子配信系のおしらせ(ベントラー・ベントラーとか)や、タブレットのおすすめもありました。
*
+新連載:沙村広明「波よ聞いてくれ」 →◆初回試し読み(モアイ公式)
ゲンドウもびっくりの策士ぶりでハメられてました。
ラジオの話になる……のかな?(業界モノではないらしい)
予告カット(前号)、表紙、扉ページで泣くという号泣(激情?)ヒロインなのか初回でもある見開きで2度泣いていますが、即座にけろりとするのでしつこくはありません。
あと、接客で真面目な顔を見せたと思ったらそれはダメな方向で思い切り叱られてるあたりのサクサクした泥臭さに妙な安心感がありました。
まあ今回はまだ始まったばかりという感じ。
今後想像を絶するゲストークなのかシスタージェネレーターの「制服は脱げない」みたいな感じなのか、あるいは普通に続き物でDJストーリーになったり
+読切:ヤマシタトモコ「不呪姫と檻の塔」
呪いが一般化して法整備までされている現代の話。
それをネタにするクラスメイトやテレビ番組のウザさがそのまま主人公の視点になっています。
他の人と違うことに「意味」があるのかにこだわって空回りするけど、他の人も後付けで意味を付けた気になっていただけだった、というような感じ。
まず前回の「無敵」も含めて病んだ瞳が画風に合いすぎてて、扉絵(前号の予告)のようななんかザワザワするカットが頻出していました。
→明るく元気だった「BUTTER!!!」の反動なのかな?(個人的にはとても好み)
救われたんだか救われてないんだかというあいまいな結末では、ボロボロ泣いたり歓喜したりすることもなく無表情でボーッとつぶやくだけなあたりがじわじわ来るところです(もう一度最初から読みたくなる)。
なお今作は102ページという(読切としては)長編な分量ですが、◆2014年2月号(過去記事)に掲載された「無敵」(72ページ)、今月のgood!アフタヌーンにほぼ同時掲載された「きみはスター」(61ページ)と合わせて単行本「運命の女の子」として刊行され
まあつまり今年だけで読切3本という時点で結構なものですが、そして次号から新連載というのが、なんというかもう……ね。
※…………!
こちらの予告カットも、やはりというかじわじわ来る病み気味な無表情が中~上級者向けオーラ(?)があって期待できそうです。
+読切:高橋ツトム「涙のタンタン麺」
スれきった女の心の拠り所であるこ汚い店のオバサンとギョーザとかビールとかの話。
(おそらくパチンコ店名からの)愛称で呼ばれるようになるほど居心地のいい場所はあるが、人生トータルでは破綻寸前というのがリアルというかシビアというか。
作中で初めて真正面を向いた時の人生訓は言ってしまえばありふれたものですが、我が身として気づくにはそれなりの代償があった後なんだぜっていうことですかね。
(人によっては笑えない)
あとがきによると、「偉そうに選考員とかしてるんなら見本書いてくださいよ」と言われて書いたもので、「ほぼ実話」だそうです。
ところでタイトルですが、四季賞選考でも題名は重要という点を語っておられるだけあってひと目でスルッと入ってくる響きですね。
「涙」も「タンタン麺」もなんてことのない単語なのに並べるとなんか「引き」があるのを感じます。
たとえばこれが「涙の担々麺」(漢字)だったら絶対ダメな気がします……が、そういうのが何故かというところは考えても考えても説明できないあたりに、もう感覚的に「なんか……良いタイトルだ」としか言いようが無い
※まいったよ!
ちなみに、今回の四季賞選考で一番良かったタイトルは「ウォークマンの木」だとか。
→たしかにタイトルだけで内容が気になってくる。
(ただ「ウォークマン」は商標なところがちょっとグレーか)
そんなわけで、見開きでまたすげーイヤなシーンが始まったなーと思った直後に真打ち登場なんていうリズム感(?)にも年季を感じた一本でした。
+四季大賞:いさかわめぐみ「旧世界の魔女」
エース級の2連弾と同じ号に掲載されたのは幸運なのか不運なのか考えものです。
それらと比較して……ってわけでもないんですが、どうにも雰囲気がユルいのが気になりました。
人の生き死にの話にしては肉片や返り血の臭いがページから伝わってこないし、描写(というか、絵柄?)が学園コメディなので、どうにも「演劇部の発表」という設定で進んでいるような違和感がありました。
見開きx2の超射程ビームにしても、同じ号のシドニアを見てしまうといろいろ優しすぎるかなと。
※好みの問題だよ!
ただ、よくある言い回しですが「すぐにでも連載できる画力」ではあるかなと思います
選考ページの「こぼれ話」を見ると、この「商品として世に問える」というところが高く評価されたのだとか。
まあ自分にとっては雰囲気が合わなかったというだけで、冷静に見れば頭身バランスの違和感とかは皆無だし、コマ割りだとか背景や書き文字だとかを一つ一つ見てみるとたしかに尋常ではなくハイレベルだと思います。
(強いて言えば大人~じいさんが童顔すぎることくらい)
さらに、「新作ネームをすぐ持ってきそうな人を選びたい」という選評もあるように、この描き慣れてますよ、という気配は「次」があるかの期待値も高かったのかなと。
まあしかし「こぼれ話」のこの部分は身につまされるものを感じました。
作品作りを先送りにするのはまずいよね。
いつか自分の中で(材料が)揃った時に漫画を描けるんだ、という人が一番描けない。
ヒマはあるのに行動に移れないというあの状況って、なんなんですかね。
何かの呪いなんですかね。
まあ、最後には、本人がやるしかないわけで……done is better than perfectとか独り言を呟きながらでも、何かを作り上げたい人は引き続きがんばってみてください。
+臨終! 江古田ちゃん
全112回、連載10年だそうです。
→単行本は最終8巻が10月発売予定&サイン会ツアーもやるみたい。
イヤミの包囲網でも言及されるハードコア勢(?)の一翼が完結してしまったなあという感じ。
ラストは、(本誌掲載的に)第一回ページとの比較になっているのが憎い演出でした。
→絵柄の変化から逃げないあたりがさすが。
その画力アップの差もありつつ、今回の「そうされればされるほど 実感する」のところは史上屈指の1コマな気がしますがそういう漫画じゃないような気もします。
しかし四季賞の大賞受賞&即デビュー(思春期と同パターン)だとか、「同回の受賞者にはヤマシタトモコ氏も」(!)なんてのを見ると、月並みですが10年の歴史や因縁を感じるものがあります。
なお、瀧波ユカリ氏もまた今秋、新連載開始だそうです。
→「平安GAGロマン」だそうな。
すでに立秋は過ぎているし、2~3ヶ月後には始まるのでしょう。
やはりオリモノを拭いた雑巾を読者に投げつけたりする漫画しか見ていないので、次回作はどんなものになるのかまったく想像できずに楽しみやら不安やらというところですね。
ついでに「寄生獣」の映像化について少し。
いずれもPVはグロいので注意。
まず実写劇場版のPVがこちら。
とりあえずキャストは好評なようで、漫画原作にありがちな謎プッシュはなさそう。
→◆公式サイトのキャストとか
個人的に先生役の深津絵里さんと言えば以前担当していた「THE 世界遺産」のナレーションが耳に残っていますが、それとはまったくカラーの違うハエの飛びかたや、【作ってみた】、キャハハハハ! あたりが楽しみです。
PVでの演技とかは……ちょっとシーンが短すぎてなんとも(賛否両論みたい?)。
CGは「ぱふぁ」あたりを見ると瞳のギョロっと感が無いせいかややモノっぽいような気がします。
→もう少し長い映像が見たい。
そしてなにやら怪しい気配なのが、前後編なのにすでに後藤や市長が出ていることでしょうか。
早いうちに例のセリフを言わせておきたいのかもう撃たれちゃってるのがかなり気になるところです。
なんか(一部は顔出し程度だとしても)パラサイト出しすぎじゃねって気もする上に、今のところ加奈も居ないので進行にはだいぶ改変がありそうだというのは覚悟しておいたほうがいいかも。
→後半はデスノートみたいなオリジナル展開かな?(それならそれで構わない)
なお公開は2014年11月29日予定。
そして、キービジュアルが公開されてから「きみ、泉新一くん……じゃないよね?」と話題のアニメ版「セイの格率」。
→◆公式サイト
だいぶ思い切ったデザイン変更、なんかヌルっとしたサブタイトル、「ミギー:平野綾」というあたりでだいぶパンチが効いています。
→ミギーは高音の子ども声なのか、低音の大人声なのかが気になる。
現時点ではヘルシング形式で原作に忠実なOVAとして再アニメ化展開をなんて署名があったらサインしてしまいそう……と思っていたら、2014/8/14に初PVが出てきました。
…………。
(あれっすげーいいじゃん)
それなりに目は肥えているつもりですが、表情や動きがかなり自然だし、「ぱふぁ」の
→思わずリピートしたくなるレベル。
まあ新一が別人なのはともかく、映像美という意味では劇場版よりこっちに期待。
あとは声ですが、なんとなく「分かってる人」が作っている気配もあるし大丈夫……だと思いたいです。
次号について少しだけ。
・新連載・1:ヤマシタトモコ「花井沢町 公民館便り」
・新連載・2:チョモラン「零崎軋識の人間ノック」(原作:西尾維新)
→双識とかも出るみたい。
・表紙:パラダイスレジデンス
・獣医の読切1本
以上、なにやら感想を書くのに時間がかかりすぎた9月号でした。
ではまた。
*
■前号(2014年8月号) ■次号(2014年10月号)
これまでの分はこちら。 →■「アフタヌーン」ラベル
◆アフタヌーン 2014年9月号 [2014年7月25日発売](リーダーストア)@レビュー投稿済
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