単純に可愛い女の子な絵柄と、よく読めば高度すぎて一口には言えない何かが同居する珈琲「のぼる小寺さん」第3巻の感想です。
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2巻のレビュー(+実写PVとか)は◆こちら。
(追記)4巻は◆5/1発売予定。(Amazon)
*■前のレビュー(狂四郎2030)
Kotera-san climbs! #3
◇それを正義と名付けよう
ずっと本作に感じていた何かが、この巻でひとつ氷解しました。
ああ……「そういうこと」は自分にもあったなあ、とか。
読み返すと、この巻の17.5話までもそうだし、というか第1話から一貫して散りばめられていたものが、第18話のある会話に収束しています。(と、勝手に思っている)
この第18話では、繊細で、一歩間違うと陳腐になってしまうような、ものすごく表現しづらい「現象」について言及しています。
自分には打算も予想も無かったのに、ある日、自分に冷たい(気がしていた)人達の態度が明らかに和らぐ……というような。
ちょっと違うかもしれませんが、以前読んだある本では、これに近い現象を「正義」と呼んでいました。
(ちなみに、
これ自体は珍しいものではなく、いわゆる「お天道様がきっと見ている」みたいなことです。
これが本作の場合はもう少し抽象的で、なんかこう……真面目にやってるやつは応援したくなるよね、見ている方もやる気が出てくるよね、みたいな「正の連鎖」のように表現されてきたように思います。
これ、「分かる」と思う方はむず痒いような逆に見たくないような感覚に襲われるかもしれません。
ただ、そういう行動に「あいつ、なんか良いな!」と感じる人ばかりではなく、むしろ「うぜえ」と思う人も多いわけです。
また、何らかの目的(あの子を振り向かせたい、とか)を狙って努力している場合はどこかで察知されて空回りする……というのも過去巻で描かれてきました。
じゃあ金のために仕事をがんばるのは正義じゃねぇのかっていうとそういうことでもなく、それはまったく別の話。
純粋に、ただ目の前のことに集中している、高い壁に挑んでいる姿っていうのは、他人にも影響を与える正しい波動みたいな力があって……うん、うまく言えないや。
(少しでもうまく書こうと挑んで散った俺氏であった)
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*(備考)見どころ:
・ベリーショートの小寺さん→結んでる小寺さん→ショートボブで破壊力抜群の小寺さん→五厘刈りにしろ(無慈悲)
・子供みたいだったよ(なん……だと……?)
・「ファイト」は震えながらのぼっていくやつでしょうか@おまけコマ
・なんでキミは……!(なんかせつない)
・できるヤツが真面目なヤツを見る目である@p47
・もし僕がずっと変われないまま……
・秘境に挑むララクロフトかよ@土日の服(そしてこのツルテカ顔である)
・小寺さん! 私のボール……小寺さん!
・メジャーになりつつある野猿に気が気ではない卓球ボーイであった
・ほうせきー!(…………!)
・ランジ狂vsもう二度と登れねぇ岩
◆先々月くらいに買ってなんかずっと悶々としていたのですが、内容はともかくやっとレビューを書けてなんだか安心しました。
ところであっちのほうですが、まあ手にすることは無いかなーと思っていたら偶然Kindle版を見つけたので買っておきました。
絵柄はともかく想像を絶する高難易度(意味深)なことにかなり驚きましたが、尊厳の極致に挑むような展開には非常に読ませるものがありました。
やっぱり限られたグレードでしか不可能な芸術性ってあるよなあと。
(分かる人にだけ分かるようにしていくスタイル)
以上です。ではまた。
*■前のレビュー(狂四郎2030)
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2巻のレビューは■こちら。
マンガレビューの過去記事は■「漫画レビュー」ラベル」にて。
◆のぼる小寺さん 3巻(リーダーストア)
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のぼる小寺さん(3) (アフタヌーンコミックス) (Amazon/Kindle)
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